茹でと盛りつけ





更新 020907
初稿 011221


次は茹でです。茹では打った直後でもかまいませんが、ほんとうに美味しいのは20〜30分経って、蕎麦のなかの気泡が少し抜けてからです。一時間以上経つと蕎麦が重くなりますのでその前に茹でましょう。

湯は、このコーナーの冒頭にも書いたとおり、湯は蕎麦を打ちはじめる前に火にかけて、鍋蓋をした状態で小一時間チリチリと沸騰させておきます。

また、湯はできる限り大きな鍋にたっぷり沸かします。私は普段は24センチの鍋に5リットル程度の湯を沸かしています。お客様ともなると36センチの鍋に10リットルの湯を沸かします。これはそばを投入した瞬間の湯の温度低下を小さくするためです。

そばは5リットルの湯で一人前ずつ茹でます。10リットルでも二人前づつでしょう。これ以上生麺を湯に入れると、湯の温度が下がり、速やかな澱粉のアルファ化ができません。もちろん時間をかけてもそばは茹だりますが、香りが逃げてしまうのと、麺がシャキっとしなくなってしまいます。



茹で作業に先立ち、二つの容器に水と氷水を用意します。冬場は水道水が冷たいので、氷水はなくても大丈夫。夏場は必須です。画像で手前の水は麺を洗う水で、雪平鍋のように把っ手があったほうが便利です。



では茹でてみましょう。茹では秒単位の仕事です

まず火を強くしてグラグラと煮立った状態にします。

麺を手にとって、さらさらとほぐしながら湯に投じます。できる限り手を湯の近くにもって行き、ていねいに静かに投ずるのがコツです。

ばらしながら入れることはとても重要です。なるべく熱い湯に触れさせたいからです。まとめて入れてしまうと湯がぬるいところができますし、そば同士がくっついてしまう事故にもつながります。

そばを落としたら菜箸でごく軽く一回だけ麺をほぐします。これはくっつき防止のためです。



打ちたてから30分くらいまでの蕎麦なら、ほどなく浮き上がって、蕎麦自身が湯の中を泳ぎます。ただし打ちたてだと完全に浮いてしまいます(画像は打ちたてです)ので、湯の流れをよく見て、その方向に菜箸で軽く押して回転させてあげます。

逆に数時間置いた麺は浮きません。そういう麺を茹でる場合は、菜箸で2〜3回持ち上げてほぐしてあげます。

茹で時間は、生粉打ちで水練りの麺では標準太さで熱湯投入後30〜40秒、太麺で40〜50秒程度です。初心者は太麺になりがちですので40〜50秒と思ってください。生粉打ちで50秒以上はまずありません。



茹で上がりの5秒前にすいのう(または柄付きの金網)を入れ、菜箸で補助しながら麺を金網に取り、茹で上がり時間と同時に湯からあげます(と同時にガス火を弱火にしてください。忘れると吹きこぼれます)。



すいのうであげた麺を、そっと洗い水に放ち、すぐに指で揺すってあげます。これは速やかに温度を下げるためです。

これを10秒でうちきり、ザルに麺をあけて一度水をすてます。水をすてたらすぐに麺を鍋に戻し、水道水で鍋を満たしながら手で麺を揺すってヌメリを落とします。この麺を洗う時間も10秒以内とします。手早くザブザブと水に触れさせて速やかに冷やす。これがコツ。ダラダラと長い時間をかけて洗うと麺が伸びておいしくなくなりますので手早くやります。

(以上の二度洗いは、大量のため水が使える場合は、一回で処理してかまいません)。



二回水洗いした麺は、再びざるにとって氷水につけて麺をしめます(冬場は水道水を流水にして麺の温度を下げてしめます)。

一度氷水に入れてすぐに上げ、もう一度入れます。麺のなかに手を入れて揺すると、麺がしまって指に当たるようになるのがわかります。この締めぐあいは固さの好みで好きにしますが、あまりしめると甘味が後退して水っぽくなりますので、ほどほどにしてください。



麺が冷えたらそのまま網をあげて水を切り、指で麺をつまみ上げて、水を切りながらそっとざるに盛ります。100グラムを4回程度にわけて盛り、さらに麺をつまみ上げてほぐしておきます。こうすることで、そばがほつれやすくておいしくいただけます。

細めんの場合は水がキレにくいので、一度ザルに盛った蕎麦をもう一度別のザルに盛り変えます。もし溜めざるという水切り用のザルがある場合は、最初に溜めざるに上げて、水を切ってから蒸籠に盛りなおします。

溜めざるは中央がへこんだザルですが、中央に蕎麦をあけて周辺に少しずつ麺をおろします。このようにすると水が中央の低いところに逃げて水が速やかにきれます。



さあ、出来上がりました。麺が白っぽいでしょう。これが白樺の生粉打ちの色です。まず一口目はつゆをつけずに食べてみてください。八ヶ岳山麓のそばの驚くほど濃いうまさを堪能できると思います。

あとはつゆをつけてそのまま食べるもよし、きざみ海苔をまぶしてリッチにやるもよし。薬味も好きにしてください。

でも海苔も薬味もきっと要らないと思います。特に新そばの時期はそうですね。石臼挽き中層粉の生粉打ち水練りのそばのうま味は、そばとつゆ以外のものは一切要らないと思わせるものがあると私は思います。



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