菊ねりとへそだし





更新040103
初稿 011221


・菊ねり

水廻しでくくられたそば玉は、水を含んだ小さなダマ同士がくくり加水の水でくっつき合った状態で、内部は空気がたくさん入ったスカスカの状態です。

これを練ることによって空気を追い出して、そば粉と水がひと続きの状態にするのが菊ねりの工程です。



これが菊ねりの基本的手つきです。撮影の都合で手をやや開いてありますが、練るときはそば玉を手でくるむような感じになります。そば玉が小さいのでほとんど片手で練ることができますが、最終段階で両手を使います(量が多いときは最初から両手で練ります)。

練りかたは、まずそば玉を向こう側(自分と反対側)から大きく握ります。指はそば玉の向こう側、手のひらは上面にかかっている感じ(まさに上の画像)。

次に手のひらで、そば玉の右肩を手前に倒し、そば玉を折り畳むような感じで手前中央に練り込みます。

練り込んだらそば玉を左手で右に15度ほど回転させ、再び玉の右肩を手前中央に練り込む。この作業をそば玉の表面がしっとりしてくるまで繰り返します。大略30〜50回でしっとりしてくるでしょう。

表面がしっとりしてきたら、手のひらとそば玉の接触面積を多くして、そば玉全体に圧力を与えながら同じ作業を続けます。これを30回。慣れてくるとそば玉の手前の中央に菊の花びら状のくぼみができます。ここまででほとんどの空気が抜けます。



最後に手のひら全体で玉をしっかり囲み、粉全体に圧力がかかるようにギュっと加圧しながら、あと20回練ります。この加圧で水に溶けたタンパク質がそば粉同士をしっかりとつないでくれます。うまくいくと玉全体がしっとりし、表面に照りのような感じがでてきます。

なお、しっとりしないで表面にヒビがはいった場合は、加水を失敗していることになります。練るそばから周辺部が割れるのも加水の失敗。次回はもっと手早くやるか、水を1%増やします(電子ばかりをつかっていない場合は、加水の量が根本的に違っている恐れがあります)。

もし玉がグニャっとしてゆるいようなら、加水のしすぎです。これを「ずる玉」と呼びます。初心者が練習の過程で水分を多めにすることで玉を作る事に成功することは悪いことではありません。でも手にくっつきやすいですし、次の包丁作業も難しくなるので、だんだん水分を減らして適正な加水率の玉をつくれるようにしてください。

なお、固い…適正…ずる玉、の水分量の違いは、せいぜい±1〜2%です。3%多かったらドロドロですし、3%少なかったら玉になりません。かなり微妙な加水の違いで結果が劇的に変ります。そこが難しく、また面白いところです。



これが練り上がった状態です。表面がなめらかでしっとりしている感じがわかるでしょうか。

(ここまでで加水開始から8分弱)

なおどうしても菊ねりがうまく行かない方は、12番(u12)の「菊ねりのコツ」を読んでください。




・へそだし

次はこの菊の花びらを閉じる作業です。花びらはいわば団子のキズですから、これをしっかりと閉じないとあとでそばが切れます。

やり方は、上の画像の手前(つまり花びら)を右にして、手のひらで花びらを上から抑え込みます。押さえ込んでは手前に転がし、また押さえつけます。そうして菊の花の中心を玉の外に飛び出させて行きます。

同時に玉の左側をこね鉢の曲面にならわせて、頭を丸くしてゆきます(こね鉢が大きくてそば粉の量が少ないと、左右両方が尖りますが、それでかまいません)。



花びらは最初割れていますが、突き出しては押しつぶし、また突き出しては押しつぶすように10回転程度手前に転がすと、割れ目がつながってなくなってしまいます。

この作業をへそだしといいます。画像の右端がさっきまで花びらだったところです。




へそがとびだしたら、そのへそを上にして (滴の形にこね鉢の上に置いて) 玉を上から押しつぶします。



完成しました。きれいなそば玉の出来上がりです。時間をおかずに直ちにのし工程に移ります (ここで絶対に寝かしてはいけません)。

さて、時間ですが、私の場合、ここまでで加水開始から8分30秒〜9分です。みなさんはもう少しかかるでしょうが、絶対に15分以上かけてはいけません。生粉打ちというのは時間との勝負です。手順を何度も練習して、短時間の加水とくくりを心がけてください。10分を切ると、白樺は本当においしい蕎麦になります。



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