密栓可能な耐熱ガラスを熱湯消毒し、最後の加熱直後につゆを入れて密栓すると、つゆは俄然もつようになります。冷蔵で一週間は全然平気です。詳しくは、道具編d-8 蕎麦つゆ用のボトルをご覧ください。
2)かえしを83度法で作った場合、その2
上記1)の方法で作ったつゆが「辛い」と感ずる場合は、つゆの加熱を95度まで行ってください。95度まで加熱する場合は、一回で雑菌はほとんど死ぬはずなので、加熱は一回でよいと思います。
つゆを95度まで加熱すると辛みはあらかた消えると思いますが、同時にキレも減ります。このへんはトレードオフです。なお、95度のつゆが気に入った方は、返しも95度で作りなおしてみてください。
3)かえしを95度で作った場合
95度の返しで作ったつゆは、低温でとどめる意味はほとんどありません。上記2)と同じ方法で95度まで温度を上げてください。加熱は一回で結構です。醤油の香りが抑えられた、甘みの強い深い味わいのつゆができます。
3. 冷却と保存
以上の3方法のどれかで加熱が終了したら、鍋蓋をして自然空冷します。本職は雑菌繁殖する温度(40度前後)が長時間になることを嫌い「急冷する」ということをよくいいますが、素人の鍋は小さい割に表面積が大きいので、すぐに冷めるのでわざわざ急冷する必要はありません。
ただし鍋蓋からのドレン水は雑菌繁殖の最大経路ですので、あらかじめ中性洗剤でよく洗い、使う直前に熱湯消毒しておいてください。
また鍋蓋は必ずしてください。水分が蒸発してつゆが濃くなったり、空中から雑菌が入って傷みやすくなることを防止するためです。
なお、密封栓付きの耐熱ボトルを使うと、保存性が飛躍的によくなります。詳しくは道具編d-8 蕎麦つゆ用のボトル を参照してください。
4.かえしとダシによるつゆの感じ
味の傾向を簡単に書いておきます。
・本枯れ節+83度かえし(つゆは85度)
すでに述べましたが、私のつゆの基本です。切れがよく醤油の風味も残ったスカっとしたつゆです。
・本枯れ節+95度かえし(または95度つゆ)
醤油の香りが遠のき、深みのあるつゆになります。甘みやコクも出てきます。
・混合節+95度かえし
ダシの効いた甘みのあるつゆになります。女性向きかも。
・雑節+95度かえし
ややクセもありますが、なかなか濃厚なつゆができます。安価なこともあり、結構お勧めです。