だし (本枯れ節の場合)





追記 100425
更新 040703
初稿 011222


次はだしのとり方です。蕎麦つゆ用のダシは、基本的には厚削りの節を40分〜50分煮詰めて作ります。

削り節は大きくわけて「本枯れ節」と「荒節」とがあります。最近私は、主にかつお節の「本枯れ節」を単品で使っています。理由は「本枯れ節」がおいしいからです。

一方のかつお「荒節」は、単品では味が単調ですが、さば節や宗田節を混ぜて混合節にすると、手間はかかりますが濃厚なだしになり、それもまた魅力です。かも汁や暖かい蕎麦用には混合節のほうがよいとされるようですが納得できます。

また、薄削り節 (花かつおのような薄く削った節)でも蕎麦つゆ用のダシをとることは一応可能です。こちらは少量を短時間でとりたい時に有効です。

また安くあげたい場合、ありますよね。そんな場合はかつお節を使わず雑節だけでダシをとる方法もあります。

-------------
そこでまずこのページ (t02)で本枯れ節のだしを解説します。高貴で上品なつゆとなりますので、基本的にお勧めです。その次のページ (t02-1)に混合節を解説します。こちらはかなりマニアックです。

さらに、その次のページ (t02-2)で、薄削り節によるだしを解説します。これは早くダシを取りたい場合に有効です。またスーパーなどで入手しやすい節が使える利点もあります。

最後に (t02-3)で雑節だけのダシをご紹介します。これはローコスト狙いで、もちろん材料はスーパーの節です。節次第ですが、うまくゆくと濃厚なつゆができたりして、これもまた面白いところです。

-------------
本枯れ節によるだしのとりかた

1.材料

かつお本枯れ節厚削り節:100グラム
水:スタート時点で節の15倍程度。煮詰め後で節の10倍程度 (後述)

本枯れ節は古川製粉所で最高のものが買えます。私の知る限りではこれが一番おいしいと思います。また最近は築地伏高も本枯れ節を扱いはじめました。詳しくは補足3)を読んでください。

(100425追記)
製法的に枯れ節とはいえないでしょうが、ヤマキの「氷温熟成法・厚削り」というのも同じ感じで使えます。



大手の商品なのでスーパーで売っていますが、これは大変にイノシン酸の濃度が高くできています。実は魚でも肉でも氷温で貯蔵するとイノシン酸濃度が上がります。



ヤマキの「氷温熟成法・厚削り」はこの性質を工業的に最適化したのでしょう。アクの出方から脂肪の分解も上手に処理しているようで、枯れ節に相当近い感じです。ただし通常のスーパーの節より高価ではあります。
(以上100425追記)

水の量はガス台の火力に合わせて調節する必要があます。詳しくは補足1)を読んでください。水の種類は補足4)です。

2.作り方

このページでは鍋でとる方法を解説します。
このほか最近の研究でケトルで出しをとるとおいしいことがわかっています。興味のある方は実験・研究編 (j) の10番をご覧ください。

まず鍋に水をいれて強火で沸かします。湯が沸騰したら弱火にして数分おきます。火は弱火でいいですが、鍋蓋をして温度を高く保ちます。こうすると水の硬度が下がるのす。



湯を沸かしながらかつお節の下ごしらえをします。これがかつお本枯れ節です。



下ごしらえとは、この節を2センチ程度にバリバリと割ってしまうことです。これは表面積を増やしてだしが出やすくするのと、鍋の中で湯が節の回りを通り易くするためです。加熱中、節は中央に集まってしまいますが、湯が回ればだしはよく出ます。

さて、鍋の火を強火にして再び強く沸騰させて、この投入します。

ここから時間を測ります。煮込み時間は40分〜50分です。特に支障がなければ50分をお勧めします。



節を投入して再び沸騰したら、強火のまま約1分間アクをとります。本枯れ節はほとんどアクが出ませんが、節を投入した直後は上の画像のような白い泡状の上にうっすらと茶色が乗ったアクが出ます。

この白いアクと粉々になった節のクズが浮いて来た物を、アクとり網を使ってさっさっと取り除きます。



アクとり網は、ボウルに水を張っておきゆすぎながら、最初の数分間アクをとり続けます。アクは伏高の節のほうが多くでます。。



2分たったら弱火にして、時間まで煮詰めます。ここで鍋蓋を1センチ程度のスキマをあけてかけてください。鍋蓋をするのは煮出しの温度を上げるためで、これで98度前後まで温度が上がります。

枯れ節は初回のアクさえとれば、あとはほとんどアクは出ないと思いますが、ときどき監視してアクが出ていたら取り除いてください。

時間が来たら火を止めて、だしと節を分離します。



厚削りは少し待てば節が沈みますので、だしだけそっと別の器に移せば節と分けることが可能ですが、濾し布を使うと細かい節クズまで取り除くことができて、だしの品位がよくなります。

上の画像は築地伏高から通販で買った「だし濾しシート」です。不織布の一種ですが、4重に折って使うと比較的細かい節のクズまで取り除くことができてなかなか便利。このシートはザブザブと洗って乾かせば繰り返し使えます。

だしがとれたら量を測ってみてください。節のだいたい10倍のだし(節が100グラムの場合は1リットルのだし)がとれれば成功です。

-------------

補足1). だしの濃さ(水の量)と火加減について

だしとりの水の量と火力の関係は、本枯れ節の場合、節の10倍前後に煮詰めるのが目安です。そのためにはスタートの湯の量を節の15倍程度にします。たとえば100グラムの節からだしをとる場合、スタートが1.5リットル、煮詰め後が1リットルという具合です。

とはいっても、このスタートの湯の量をどうするがはなかなか難しいんですね。ガスのノッチがちょうどよいとか、電磁コンロで火力がきちっと決められるなどのケースをのぞき、なかなかピタっと行かないと思います。

そこで節を入れない湯だけを使い、予行演習をすることをお勧めします。適当なガスのノッチで実験し、都合のよいノッチがあるか。なければガス火の高さを目安にする (たとえばバーナーと鍋底の半分の高さの炎、なんて具合) などで工夫します。

どうしても不安定な場合は、一番煮詰め率が近くてやや火力の強めのバーナーを使い、スタートの湯量を多くすることで調整してください。

補足2). 一回にとるだしの量

一回にとるだしの量については、100グラムのパックを一回で使うことを推奨します。ひとつのパック詰めの中身は、2〜3個の鰹節を使うことで品質や味を調整してあるようで、うっかり分割すると味がばらつきます。

とはいっても節を小分けして使いた場合もあるでしょう。その場合は電子ばかりを使って、せめて重量だけは正確に分けてください。

補足3). 本枯れ節の入手について

かつお節は、かびづけしてない荒節と、かびづけしてある本枯れ節に大別できます。かびをつける目的は脂肪分や血合をかびに分解させることにあります。

このため本枯れ節は生臭さがなく、風味が上品になります。また荒節の段階にはなかった旨味も生成されるようで、かつお節単品でおいしいだしがとれます。

本枯れ節に昆布や椎茸を合わせることも試してみましたが、どうも単品の風味を壊すようで、私は本枯れ節は単品で使っています。

(古川製粉(そばの里))
問題は本枯れ節の厚削り節の通信販売がなかなか無いことですが、例外的に最高級品が古川製粉(そばの里)で購入できます。



袋の記述から、この節が(株)マルサヤという有名なそば屋専門の節屋さんのものであることがわかりますが、実はこの節、アマチュアの趣味のために古川製粉さんが小分けを特注したのものだそうです。

しかも「個人が趣味に少量使う目的のもの」ということで、最高グレード品が使われているそうで、値段もいいですが(100グラム700円)、味は最高です。

(築地伏高)
以前は本枯れ節は事実上古川製粉からしか入手できませんでしたが、最近は築地伏高もかつお節の本枯れ厚削り節を扱いはじめました。

こちらはややアクが多い傾向があるのと、若干ばらつきを感じますが、値段がやすいわりには味はよいと思います。

補足4). 水の種類について

水は軟水がお勧めです。硬水(鉱水)を使うと節のタンパク質が固まって節からうま味が出にくくなるそうです。

私の場合水道水を浄水器に通したものを使っています。市販のミネラルウォーターも使えます。詳しくはコラム編(c)をご覧ください。

補足5). なぜ40〜50分も煮るのか

この点は不思議に思う人が多いようで、比較的多くの質問をいただきます。理由は、コラム編(c)の10番の「なぜ厚削りか」に書いてありますのでお読み下さい。


補足6).だしの保存はどうする? (改定しました)

だしは大量にとったほうが概しておいしいものですが、だしは非常に保存が効かないものです。したがってとったダシはすべてつゆにしてしまい、つゆで冷蔵保存したほうが長持ちします。

どうしてもつゆが余った場合は冷凍してください。ミネラルウォーターなどの匂いのないものの空きPETボトル、冷凍用のジプロックなどに入れてそのまま冷凍庫にいれればOKです。冷凍/解凍したダシは大分風味が落ちますが、腐らせるよりはいいでしょう。

ちなみに冷蔵ではだめです。あっと言う間に腐敗します。


目次をフレーム表示する(目次がないときクリックしてください)
かないまるのホームページへ