だし (薄削り節の場合)





初稿 030504

蕎麦つゆのダシは厚削りでとる、これはまあ常識。

とはいうものの、ごく少量のダシをとるとなると困難な点もあります。少量では40〜50分後の液量をピタっと決めるような火力のコントロールが事実上不可能だからです。

さて、私は主に2カ所から鰹節を買っていますが、その一方の築地伏高さんからこんなメールが…。


なるほど。

というわけで、薄削りによるダシとりを、一カ月ほど集中的に検討しましたが、少量のダシとりはうす削りしかないなと思うに至りました。さっそくご紹介しましょう。

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1材料

薄削り節20グラム
水250cc

少量のだしとりということで、20グラムでやってみます。4人家族で一回分の蕎麦つゆを作る場合適量といえるでしょう。

かつお節は、伏高さんの「近海鰹荒仕上節の削り節」がイチオシです。



薄削りの削り節としてカビ付けしてあるのものは比較的珍しいと思いますが、伏高さんでも薄削りでカビ付けしてあるのはこれだけだそうです。さらに原料を仕入れてから最低でも1年間は寝かせているそうなので、比較的本枯れ節に近い性格のものといえます。


2.手順 (だしこしシート法)

では手順です。まず湯を沸かします。



沸騰したらさらに30秒程度、弱火で沸騰を続けてください。水の中のカルキ分や酸素を飛ばすこと、ミネラル分を結晶化して水の硬度を下げることの二つの理由があります。



弱火で30秒たったら火を止めてかつお節を投入します。再び着火して、弱火で4分間煮出します。とりあえず鍋蓋ナシでやってみてください。最後に蒸発しすぎてだしが煮詰まってしまうようなら、鍋蓋をしたり火力を落としたりして調節します。



4分たったら火を止めて、だしこしシート (伏高さんで購入できます) をザルに敷き、ダシを濾します。

なお、伏高のだしこしシートは50センチ角程度の大きなもので、この程度の少量用には1/4に切って使うのがよいでしょう。



薄削りはダシガラの中にダシ汁がかなり残りますので、濾した後絞ります。まず菜箸でだしこしシートを畳みます。



それを厚手のご飯茶碗に入れ、おたまを押しつけてよく絞ります。親子ボウルなどでもよいのですが、要は二つの容器のなかに挟み込んで圧縮して絞ればよいわけです。



以上で琥珀色の上品なダシが取れます。加熱時間や火力にもよりますが、200〜220cc程度になっていればおいしいダシになります。200cc以下だといささか濃いですね。湯で割ってください。220ccを超えてしまった場合は、中火で1分程度煮詰めてください。

なお節には10cc程度 (ダシ全体の5%程度)が残りますが、これはあきらめます。二番だしを取って有効に使ってください。

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3.別の手順 (ダシ濾しパック法)

以上の方法は、だし濾しをシートまたは濾し布でやることを想定していますが、スーパーで売っているだし濾しパックを使うと、ダシガラの始末が楽です。



この画像は「だし&麦茶パック」というもので、ダイエーのオリジナルブランド (セービング) 商品ですが、類似品でもかまいません。



まずパックに20グラムの節を詰めます。ぎゅーぎゅーと押し込む感じになります。



パックに詰めおえた状態です。これを湯に投入します。



4分間弱火で煮出します。コツは、菜箸でゆっくりとパックを揺らし続けることです。画像で湯が揺れているのがわかると思いますが、このようにパックを湯のなかで振る感じ。これでパックに湯が出入りしますので、ダシがよく出ます。



ダシの分離も簡単で、パックを湯から出すだけですが、取り出したパックを茶碗に入れてオタマを押しつければ、ダシガラに残ったダシも絞り出せます。


以上二つの方法をご紹介しましたが、薄削り20グラムから蕎麦つゆに向くおいしいダシがとれます。実は薄削りは同じ節のグラムでやると、厚削りよりやや薄めになります。これは薄削りはだし濃度が上がりにくいのでしかたないのですが、少量をさっととる家庭用にはお勧めできます。

このほかにも薄削り節でのダシとりに関する検討の成果を、実験・研究編 (j) の06番に公開してあります。あわせてごらんください。


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