美味しいそば湯の作り方 (1)
(準備と湯桶法)


更新 040320
初稿 020112


そば湯。一般にそばを茹でた「茹で湯」を飲むものと思われています。ルチンが溶けだしているから飲まにゃいかんとすら言われています。

で、どっちも間違い。特に素人の蕎麦打ちでは全然ぺけ。

というのも素人の場合、一家四人前を茹でるのがせいぜいですから、そば会でもやらない限り茹で湯はいつもさらさらです。そば屋さんでときどき出会う、あの濃厚なそば湯にはなりません。

ルチンの件に関しては、どなたか証明していただきたいものです。ルチンは (プロのケースでも) 茹で湯より蕎麦のほうにはるかに多く含まれているはずです。

というわけで、素人の茹で湯ではおいしくないし栄養もありません。それに対してそば屋さんのそば湯はなぜあんなに濃厚なのか。たくさん蕎麦を茹でるからでしょうか。

そんなことはありません。あんな濃厚な茹で湯はそば打ちがへたで、よほど打粉を使いすぎないかぎりプロでもあり得ません。

実はそば屋さんのそば湯は、料理として作られたものであることが多いのです。まあ茹で湯そのままでも素人のそば湯よりはおいしいと思いますが、こと素人のそば湯に限っては、茹で湯のままでは絶対においしくありません。

そこで、そば湯を料理として作る方法をいくつかご紹介しようと思います。材料はそばを打ったときの切り屑と打粉です。


1. 準備 (共通部分)



まずそばを打ち終わったところです。左が切り上がった蕎麦100グラム。右に残ったのが、切り端と打粉です。生地の耳を残すだけなので、切り端はそんなに多くありません。なので小量打ちでもそば湯を濃厚にしたい場合は、意図的に耳を落とすか、蕎麦きりを少しわけてあげます。



切り端と打粉をボウルに移します。



指で打粉とこすりあわせて、生地や麺をボロボロに崩します。ただしあまり神経質に細かくしなくても大丈夫です。



崩し終わった様子です。

ここまでを蕎麦を打って蕎麦を食べる前に用意しておきます (蕎麦を打ってから食べるまで時間を置く場合は、この状態で乾かないように保存します)。

---以下、蕎麦を食べてから---



蕎麦を食べ終わって、さて、そば湯という段になったら、ボウルに少量の水を入れます。水の量は、そば粉+打粉の重量の5割増し (1.5倍) です。



指で攪拌して水と粉を馴染ませます。攪拌していない生クリーム程度の濃さですね。上記割合で計量して加水すれば間違いありません。

ここで、蕎麦生地や麺だった部分はすぐには溶けませんが、そのまま放置すれば2〜3分でふやけてきます。このふやけ具合にはコツがありますので、何回かやってみてください。



水溶き状態になりました。これがそば湯の原料です。


2.湯桶を使うときの作り方

ここからは湯桶法の作り方です。



まずボウルかひしゃくで茹で湯をとり、湯桶に入れて湯桶を温めます。1〜2分経ったら茹で湯を捨てます。



ボウルで作った水溶きそば粉をもう一度攪拌してから、大さじ2〜3杯を湯桶に入れます。そば湯を湯桶の2/3程度作るのなら大さじ2杯。満量で作るなら3杯。

なお、トローッとした濃いのが好きなら、好きなだけ多めに入れてください。



茹で湯を一度沸騰させて、ボウルかひしゃくでくみ取り、湯桶にゆっくりと注ぎ入れます。1/3程度入れて一呼吸 (数秒) 経ってから菜箸で攪拌しながら全量の茹で湯を入れます。



出来上がりです。この画像は比較的均一な重湯に近いそば湯になっています。そば屋さんのそば湯に近い感じですが、湯桶で作るとこんな感じになりやすいです。


3. そば茶入りそば湯

バリエーションです。

木更津の駅前の某そば屋さんで出会ったそば湯は、ちょっと変わっていました。どうやらそば茶が入っているようでした。店の人に「蕎麦茶入りですか」とお聴きしたら、「いやそば湯です」とおっしゃっていました。いえいえ。これはそば茶入りに相違ない。

そこで再現実験をしてみましたが、店のと風味は同じ。やっぱし。

作り方は二通り考えられます。茹で湯にそば茶を投入し、湯桶には網で濾したそば湯を入れる方法と、蕎麦茶をそのまま湯桶に投入してしまう方法の二つです。

某そば屋さんはそばの実は入ってなくてそば茶の風味だけですから前者の方法でしょう。そば湯用に寸胴が用意してあってダシパックのような方法でそば茶を湯の中に浮かべてあるのかな。

もちろんそれでもいいのですが、実は蕎麦茶は蕎麦の実を炒ったものですから、そば湯に浮かんだそば茶 (つまりそばの実) を噛みながら味わうのもまたおつなものです。



そこでかないまる流「そば茶入りそば湯」は、湯桶に中サジ一杯の蕎麦茶を投入することにします。



あとは同じで、茹で湯を沸騰させて湯桶にそそぎます。



出来上がりです。そば茶は湯桶の底に沈んでしまいますが、湯桶に茶漉のような網があるわけではないので、そば茶の一部が蕎麦猪口に流れ込みます。画像で蕎麦茶が浮かんでいるのがわかりますでしょうか。この実が口に飛び込んだのをかみ砕くのが、なかなかオツなんです。

なお、このそば茶入りのそば湯の用途として、やや薄めに作って焼酎のそば湯割り用に使うとすばらしくよいです。焼酎好きの方は是非お試しください。

(続いて(2)をご覧ください)

目次をフレーム表示する(目次がないときクリックしてください)
かないまるのホームページへ