高山製粉の「丸抜そば」を挽いてみました
(製粉編)



初稿040515


前回挽いた抜きは頂き物の鹿児島産でしたが、今回はみなさんも購入できるものということで、高山製粉の抜きを製粉してみることにします。

1)新兵器紹介

その前に今回から使っている秘密兵器をご紹介しましょう。



これです。広口の漏斗。

粉屋さんやお米屋さんなどで普通に見かけるものですが、投入側の直径が約19センチ。出口の筒が約5センチの直径で、ミルサーのガラスボトルに抜きを入れるときや、挽き上がったそば粉を袋に詰めるときなどに非常に便利です。アルマイト製で、近所のホームセンターの園芸コーナーで買いましたが、合羽橋で見かけたものと同じものでした。

2)今回の抜き



これが今回の丸抜そばです。1キロ詰めで真空パックになっています。そのまま撮影するとシワシワで表示が見えないので、この画像は空気を入れて、やや膨らまして撮影しています。

八ヶ岳山麓で採れる信濃一号品種の丸抜きで、そば粉商品の「八ヶ岳」や「白樺」の原料と同じものだそうです。

価格は2004年4月現在で1キロ1470円。この抜きで作ったそば粉より高額、というのがちょっと「ん?」ですが、まあ、そんなに売れるものではないのでしょう。アルミラミネート袋に真空パックして、大きいサイズのエージレスを入れてあり、品質管理には好感が持てます。



これが抜きの画像です。青々として美味しそう。割れは普通かやや少ない程度。蕎麦殼は全くなく、とても綺麗な抜きです。

3)挽き方を考える

さて、この抜きをどう挽くかですが、とりあえず極簡単な試し挽きの結果、前回の鹿児島産より抜きがやや硬いことがわかりました。そこで一回18秒で挽くことにしました。しかし挽き上がってみるとやや歩留りが低く、白樺みたいなそば粉になってしまったので、今回はさらにもう一度挽き、合計三回挽きとしました。

4)一度目挽き

一度目は抜きを50グラムずつミルサーに入れて、18秒粉砕し、60メッシュで振るいます。合計8回挽きましたが、歩留りは二回ずつまとめてA〜Dの4群にわけて測りました。データは下記のとおりです。

回数60メッシュ残留量60メッシュ通過量歩留り
A1、2回52グラム48グラム48%
B3、4回51グラム49グラム49%
C5、6回49グラム51グラム51%
D7、8回47グラム53グラム53%

だいたい50%の歩留りですが、面白いのは回を重ねると歩留りが上がることです。これはミルサーのモーターが温まって回転数が上がるのだと思います。

5)二度目挽き

一度目は一回挽くごとに約25グラムのメッシュ残りが出ます。それを二回ごとにまとめて二度目挽きにかけています。つまりA〜D群の各群を二度目挽きにかけたわけです。時間は同じで18秒。結果は以下の通りです。

60メッシュ残留量 60メッシュ通過量
(一、二度挽き合計)
ここまでの歩留り
A32グラム68グラム68%
B30グラム70グラム70%
C31グラム69グラム69%
D27グラム73グラム73%
総量120グラム280グラム70%

ここでも歩留りがだんだん上がっていて、モータの回転が上がっているのがわかります。前回の鹿児島のときは手際が悪かったのでモータが冷えてしまったのかこんなに顕著ではありませんでしたが、今回は子供たちも手伝ってくれたので非常に手際がよくできたのが理由でしょう。



これは篩作業をしている娘の千晶です。

さて、総合歩留り70%はまあまあですが、今回はもう一度製粉して歩留りを上げることにしました。

6)三度目挽き

二度目挽きまでで、篩残り総量は120グラム。これを半分にわけて、それぞれ18秒挽き、篩通り、篩残りをそれぞれ合わせました。

その結果、篩残り合計は85グラムとなり、そば粉合計は315グラム。総合歩留りは79%となりました。



これがそば粉を投入したボウルの様子。背景の白いのは一度目挽きの部分で、かなり真っ白です。

手前のやや灰色がかっているのは二度目挽き部分です。A〜D群はそれぞれ一度目挽きのあと二度目挽きをしました。なので、ここに見えているのはD群の二度目挽きだけです (だからやや少なく見えます)。

ボウルの向こう側の濃い灰色の部分が三度目挽きで、甘皮に近い部分であることがわかります。

これらは40メッシュの篩に二度通して、完全に混合してしまいます。食感などは別項にて報告します。

7)篩残りの解析

さて、篩残りの部分はどうなっているのでしょうか。



これが60メッシュを通らなかった篩残りです。85グラムあります。

そこでこれをまず40メッシュで篩ってみました。すると60グラムが40メッシュを通りました。残りは25グラム。

この25グラムを今度は30メッシュを通してみました。すると10グラム通りました。残りは15グラムでした。

この篩残りに関しては、今回はまあそうなったというだけで、特にこれ以上考察はしません。

8)温度上昇関係

気になる温度上昇ですが、一度目の製粉ではほとんど温度は上がりません。温度計を使っているわけではなくて、できあがった粉に指を入れてた感じですが、冷たいとはいいませんが温かくもない感じ。

二度目の製粉は少し温度上昇を感じます。一度目よりは温度が高いなという感じ。とはいうものの温かいとは感じませんから、40度以下でしょう。

三度目の製粉は「ほんのりと温かい程度」まで温度が上昇します。やはり外周部は硬いんでしょうね。摩擦熱が多いのだと思います。多分40〜50度でしょう。

このへんはいずれ温度計でちゃんと測ってみます。今回はヤマカンです。

9)抜き一粒は何グラム?

余談ですが、娘の千晶が、抜きの重さを知りたいと言い出しました。50グラムを数えるといいますが、それは多分すごく多いので、20グラムを数えさせました。

結果は806個だったそうです。したがって「高山製粉の抜き一個の重さは約25ミリグラムである」ということになります。へー…(七部咲き)。

次回は今回製粉したそば粉の食感編です。



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