起こし庖丁技法用のこま板
(黒檀付き)





初稿 040629


コラム編c24番の「起こし庖丁技術」用のこま板を、自作編05番で作り方を書きました。

が、なんと冬場の乾燥期に枕が曲がってしまい、使えなくなってしまいました。乾燥が十分でなかったんですね。



画像では少し曲がっている程度に見えますが、実際は両端が2〜3ミリ、片側を抑えると5ミリ以上上がってしまいます。

そんなわけで、さすがにこれでは使えないので、しばらく寝かし庖丁で切っていましたが、やはり起こし庖丁用のこま板が必要と考え、作りなおすことにしました。

1.材料

今回の作り方は自作編01番の作り方と同じ3ピース構造です。材料は、


2.作り方



まず枕の基材となる A (ヒノキ材)の X 部分を、約4度、カンナで削り落とします。それを滑り板Bに貼り付けることで枕に角度をつけるわけです。



最近こんな感じの「スライドする作業板に万力機能をつけた作業台」を2000円程度で売っていますので、これにヒノキ材を少し飛び出して挟み付けます。



カンナの刃の左端を、この飛び出したヒノキ材に、またカンナの木部の右端をと作業台の面に置くと、自然に角度が付きますので、これでヒノキを4度まで削ります。

最初カンナが材料の右端にあたった状態で5〜6度角度が付いていて、削って行くに連れて4度になったら止める感じがいいでしょう。角度は作業台面に直角定規を置き、ヒノキの端面に分度器をおいて交差濃角を読めばわかります。大雑把にはカンでも (つまり角度さえ付いていれば) OKです。



X の面取りが終わったらこの面と、滑り板 B を接着します。接着には今回はクリアタイブのエポキシを使いました。エポキシを使った理由は張り合わせただけでかなり強い粘性があり、作業中に固定を緩めて多少ずらすという修正がしやすいからです。

さて、Y部には少し突起があります。また硬化後は接着剤も多少は飛び出しているでしょう。そこで紙ヤスリでこの面を平らにします。80〜100番程度のヤスリでいいでしょう。



Y部の突起を落として平面になったら、黒檀の薄板を貼り付けます。これもクリアタイプのエポキシでやります。



張り合わせが済んだら、 黒檀の飛び出した箇所 Q を、適当な高さまでカンナで落とします。黒檀は硬いので、カンナの刃は十分研いで、また出刃量を出しすぎないようにします。

ここで枕を好みの高さまで削り落とすわけですが、今回私は滑り板下面から枕上部までを25ミリに削りました。このへんは少し高めに仕上げ、後で調整するのがよいと思います。

次に Z 部の下への飛び出しですが、これは自信のある方はカンナでどうぞ。私はカンナが中学時代に買った教材用のやつなので、自信がないので紙ヤスリで落としました。

やってみると黒檀の削り粉は黒くて、これが滑り板につくととても汚く見えます。できればカンナのいいものを買ってやりたい仕事です。黒檀に最初から角度をつけて、平面性を出しながら接着して軽く仕上げる程度にするのもいいかも。今回私は、黒檀の段が落ちるまで汚れ仕事のまま進め、ウエスで汚れを落とした後、滑り板から黒檀の方向に削り、数回ごとにウエスで汚れを処理しながら1000番まで仕上げました。





さあ、できました。ヒノキを基材に黒檀を張り合わせたものですが、こま板としては枕が総黒檀のものと変わりません。黒檀を磨くと非常にかっこいいし、ヒノキの赤身感もなかなかいいです。



枕のアップです。角度は上述のように4度。高さ25ミリ。だいたい中程度の太さの麺を狙っていますが、2ミリ以上の太麺も打てます。かなり細い麺も打つことができますが、細麺用にはもう少し低いのをつくった方がいいかもしれません (25ミリだと進み量が少しばらつきやすいからです)。これは次の課題。

ちなみに黒檀は1500番のまで磨き込みました。1000番と1500番は比較しましたが驚くほど庖丁の滑りが違います。もちろん1500番のほうが感じがいいです。

また黒檀に蕎麦の生地がこびりついても簡単に落ちますし、その作業で黒檀に傷もつかないので、そういう意味でも使いやすいと思います。

なお、滑り板の裏側は上述のように1000番までです。シナ合板の場合、これ以上やっても材が柔らかいのであまり意味がありません。表側 (手で抑える側)は滑りすぎないように、400番程度で仕上げておしまいです。


3.使い心地

黒檀の滑りが良いので、庖丁が非常に気持ちよく動きます。特に前後方向の動きがスムースでとても気持ちよく、シュッ、シュッという感じで麺が切れます。

実は枕が総黒檀のこま板 (売価12000円) も使ったことがありますが、なんとそれより使いやすい。理由は4度の起こし角が付いていることと、ヒノキとの複合なので枕が軽くてバランスがいい感じなんです。自画自賛。

それにしても黒檀はいいですね。意外に簡単にできますので、みなさんもこま板は是非自作してください。

なお、繰り返しになりますが、起こし庖丁で麺を切っている様子、コラム編c24番も、是非合わせてご覧ください。


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