木口まな板を使ってみる

2. スプルース製 (日本製) のまな板


初稿 041220


前回のレポートで、オーストラリア出張時に面白半分に買ってきたブラックウッドの木口まな板を試した様子を書きました。結論としては、切れ味が非常によいものの、硬すぎて庖丁がかわいそうということになりました。

ただ切れ味のよいことはわかりましたので、蕎麦職人が使うという蕎麦打ち用の木口まな板が欲しくなりました。


1.発注まで

そこでネットをサーチしたところ、出物は意外に少なくて、以下の二点しか見つかりませんでした。

A)
ひとつは 川越蕎麦の会 のもので、仕様は
・スプルース寄せ木
・大きさ 1250x350x50
・価格150,000円(税込・送料別)

B)
もう一つは蕎麦塾扱いのもので、仕様は
・スプルス寄木
・大きさ 900×395×30  
・価格 25,000円(税込・送料込み)

私が注文したのは、もちろん B)の蕎麦塾さんのものです。理由は、

  1. 幅が広く長さが短いこと
  2. 厚みが薄く、比較的軽そうであること
  3. 価格が6倍も違うこと

の三点です。実は一番重要なのは「1」の幅です。私は、畳み終わった状態で30センチ前後の生地を切りますので、川越蕎麦会の仕様では幅が足りません。

逆に切り板の長さは川越蕎麦会のほうが長いですが、私は素人ですからこんな長さは要りません。

次に2ですが、一目で蕎麦塾仕様のほうが軽そうなことがわかります。私は蕎麦を居間のテーブルで打ちますので、道具は毎回台所の隅から出してきて、打ち終わるとしまいます。なので道具は軽いほうがよいので、厚みが薄いのは助かります。

価格も随分違いますが、安価な蕎麦塾仕様のほうが幅が広くて私に向くので、これはもう迷うことなく決定。早速注文しました。



2.現物到着

品物は木工会社から直接送られてきました。木工会社名は中にも入っていると思い、輸送用外装段ボールを捨ててしまったのが残念です。中には木工会社名は入っていませんでした。

包装はとても丁寧。まず本体を包むダンボール。これは保存時に常用できるものです。その外に殴打事故防止のために、3ミリ弱のMDFボード二枚で内装ダンボールをはさみ、さらにその外に輸送用のダンボールで包装してありました。とても丁寧な包装で好感が持てます。



ダンボール箱の中からでてきた木口まな板です。1個の二辺が1:2の柾目材の木口を、隣同士で半分ずつ位置をずらせて寄木にしたものです。

またこのまな板は、両面が全く同じ仕上げで、両面とも使用可能。またもし反った場合は上を凸になるようにして30分ほど放置すれば元にもどるそうです。

両サイドを挟んでいるのはスプルース製の横木。これを桜に代えたものも入手できますが、値段はかなり高くなります。

この横木の途中にある4箇所の黒い部分は、黒檀製のストッパで、延し板の上におくときに延し板の前辺に引っかけて、まな板が滑り動くのを防止するものです。実際にはほとんど使う必要はないようです。



寄木のアップです。特によいところを選んだわけではなく、全般に加工精度は高く、接着剤は見えません。木口面にもささくれやアバレは見られず、切れ味のよい工作機械で加工されたことがわかります。



このまな板は、長手方向の反りや折れを防止する横木がはめられています。はめ込まれているだけなので、横木とまな板の相互の伸縮率の違いが滑りで逃げる構造になっています。



3.実際に切ってみましょう。

今回は、とあるそば屋さんに分けていただいた挽きぐるみ細挽きのそば粉です。ネバリが強く、調子のよい生地ほど庖丁にくっついて切りにくい傾向があります。



今回もブラックウッドまな板同様に、まずはほとんど打粉を敷かないで、まな板に生地を直に置いて切り始めます。生地は四つ畳です。

いやー、気持ちいいですね。面がスパっと切れます。生地が生地なので、たまに庖丁にまつわりついて来ますが、切ることには支障はありません。



切断面のアップです。四つ畳みなので二層×2が手前でUターンしています。普通のまな板や延し板の上できると、もう少しつぶれた感じになり、特に内側の面線はここで折れて切れるのが普通です。

ところが切れ味がいいというのはすごいものですね。ストレスがかからないためか、この内側の面線は外側同様つながっています。



適当なところを駒開きの前に引き出し広げてみました。見事に外側、内側ともにつながっており、約60センチの麺ができています。



駒開けの様子です。折り返した麺端がほとんど切れていないのがおわかりでしょうか。また打粉も少ないので、ほとんど粉が散っていません。



面線のアップです。キチっと角が立っていますが、これは普通のまな板ではなかなか得難いと思います。



4.茹でて食べてみます

いよいよ試食です。



今日使った鍋は、ラゴスティーナというイタリアの圧力鍋です。25年前に購入したもので、圧力蓋が壊れたため寸胴がわりに使っています。

深鍋で7リットルもの湯が入りますが、湯中に蕎麦を放ってしまうと上げるのが大変。



そこで今回は、ラーメン屋さんや立ち食いそば屋でよく使っている上げざるを使いました (なんでこんなものを持っているのだろう…)

茹で時間20秒弱。これがこのそば粉の標準茹で時間です。



出来上がりました。青々としておいしそうですが、実はこれ、新蕎麦ではなくて去年産の玄蕎麦をひいたものです。今は玄蕎麦の脱酸素冷蔵技術が進んだので、おかしな新蕎麦よりひねもののほうがおいしいことはいくらでもありますね。



麺のアップです。どうです。この角の立ったおいしそうな蕎麦。

実際試食した感じは、つゆの絡みが実によく、また舌や喉を適度に刺激してくれて、大変においしく感じました。

というわけで、かないまる邸の標準切り板は、この木口寄木まな板に決まりました。



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