ダシを水でとる検討 (1)
仕込み編




初稿 030713

薄削りでダシをとる検討を勧めて下さった築地伏高さんから、またまた新たな提案が…。

というわけで、水でダシをとってはいかがでしょう、ということです。まあ水出しコーヒーがあるのですから、水出しダシがあってもよさそうです。

早速試してみることにしました。

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仕込み編
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1)節の選定

サンプルとする節は二つ用意しました。いずれも築地伏高さんのものです。

ひとつは鰹本枯れ厚削り節。黙阿弥の時代に厚削りはないそうですが (機械でないと削れないそうです) 、水だしが実用になるのなら手軽に出しがとれますので、これは試しておきたい。

もう一つは薄削りで、今回も「近海鰹荒仕上節の削り節」を使うことにします。

2)仕込み

まず本枯れの厚削り節から。



節は30グラムとします。水は浄水器を通した水道水で、360グラムとしました。仕上がりを330グラムと想定しています。



これをスーパーのボリ袋に入れます。念のため二重にして冷蔵庫へ。



もう一つ、薄削りも30グラム計量して360グラムの水と合わせます。



こちらもスーパーのポリ袋に入れて冷蔵庫へ入れます。

3)冷蔵庫で24時間放置

黙阿弥の時代に冷蔵庫はありませんが、さすがに夏場ですから傷む恐れもあり、冷蔵庫 (冷蔵室) で抽出することにします。時間は24時間。晩に仕込んで次の晩につゆにできるので手間はかかりませんね。

4)水と節の分離

抽出が終わったら節とダシを分離します。

これは簡単で、ポリ袋のスミをカットしてダシを取り出しながら、ダシ濾しシートで濾します。

薄削りはダシをダシガラがかかえるのが問題ですが、水だしの場合は熱くないのでポリ袋ごと絞ることができます。



こんな感じ。

5)対比サンプルを用意します

対比サンプルとして、それぞれの節で湯だしのダシをとりました。ダシのとりかたは当WEB流です (t2t2-1を参照してください)。

6)ダシの外観



できました。左から、

・薄削り水抽出
・薄削り熱湯抽出
・厚削り水抽出
・厚削り熱湯抽出

です。所見としては、まず水と熱湯では熱湯のほうが色が濃くなっています。これは薄削り、厚削りとも全く同じで、熱湯抽出と水抽出では抽出される成分がちがうということです。

次に薄削りの水抽出はダシが完全に濁ってしまいます。ダシの表面が水のなかに崩れ出すのでしょう。画像ではわかりませんが、鍋に移すと浮遊物などがあります。厚削りもやや濁りますが、全体の表面積が少ないためか濁りは少なくなっています。

一方熱湯抽出でも厚削りのほうが濁りが見られます。これは40分間という長時間の抽出で、やはり節の表面が崩れるのだと思います。ただまあ、いつもはこんなに濁らないので、今回少量で抽出したことが、ちょっと節に対してきつかったのかなと思っています。

結局見た目が一番いいのが薄削りの熱湯抽出で、濁りを嫌う薄口の料理が薄削りで短時間でダシをとる必然性をここにも感じます。

6)つゆの仕込み

以上の4種類でつゆを作りますが、実は一度簡単に予備実験をしてあり、薄削りの水だしが少し生臭い感じがすることがわかっています。

そこで、水だしの二点については、約8分間加熱して一度煮立ててあります (4分で沸騰後4分間沸騰を維持)。これで浮遊物が沈殿して、濁りも多少改善します。

なおダシが煮詰まるとつゆが濃くなりますが、対比サンプルと合わせるため、一旦冷まして計量し、蒸発分は水を補って量をそろえてあります。

かえしは前回の生返しの検討時に作ったFH仕様が残っていたので、これを使いました。本返しです。

ダシの1/3のかえしをダシに加えておいてから、4種類のつゆを順次加熱。85度に達してから5分放置して、もう一度85度にする二回加熱で作りました。

次回はテイスティングです。


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