高山製粉の「玄挽そば粉」(2)


初稿031124


では「玄挽」を打ってみましょう。蕎麦会では500グラム単位で二回打ち、問題なくつながりましたが、ここでは撮影用に200グラム打ってみます。

加水率は55%狙いとします。高山製粉は最近上級者向けのそば粉に加水率を記載し始めました。素人の多くは加水率の見極めで失敗しますので、これはとても素晴らしいことだと思います。

値も妥当です。たとえば白樺は、生粉打ちで53%と記載されていますが、これは私の指針の52〜54%とぴったり同じです。今回の玄挽=55%も、実際その値でまとまっています。

この撮影では、そば粉は200グラム。55%の水は110グラムとなり、これを、88+11+7+4グラムに分けて加水しました。まあ、いつものかないまる流ですね。細かくいうと、最後の4グラムは、さらに少しずつわけて加水しています。

では画像入りで手順を少し詳しく書いてみましょう。



玄挽を木鉢に入れて、まず最初の88グラムの水を一気に加水します。加水したら両側から粉をかぶせるようにして水をふさぎ、続いて10本の指で水を分散させます。10秒程度で水気が引いたら、指でガーっと粉を運動させ、分散に入ります。

この段階で、極めて高貴な香りがふわーっと立ち上がってきます。こはどうも信州産 (それも多分信濃一号種) 独特のもののようで、とてもよいものです。

ひとしきり指先で分散させたら、そば粉を手にとり、揉み手をしてそば粉をさらに分散させます。一回に取り上げた粉を、2〜3もみこすってから鉢に落とす感じでいでしょう。



2分程度で分散が終了したところです。そば粉はパン粉状になっています。この段階で1センチ大以上のダマがある場合は、分散不足です。

ここからくくり加水です。まず11グラムの水をまき落とします。



11グラム加水後、指先分散と揉み手分散で粉々にした状態です。この段階ではややしっとりしていて、一回目の加水 (分散加水) 後よりは蕎麦の粒子は大いくなっていますが、大きなダマは禁物。あくまで分散する気持ちで粉をいじります。

そば粉のダマが分散したら (一回目の粒度より大きめな粒子に分散したら) 水7グラムを加えます。



7グラムを加水してたら、まず1分ほどやはり指先で攪拌して、水分を分散させます。つまりまずは、そば粉が小さくなる方向にそば粉を運動させるのです。

ちなみに粗挽きとはいえ全粒粉ですから、この段階で力をいれすぎるとベチャ、っというかネトっとしたというか、とにかく大きな固まりができてしまいます。しかしそれは、水分量が多すぎるダマであり、そのまま放置すると蕎麦切れの原因になりますので注意してください。

この段階の分散のコツは、そば粉を両手を揉み合わせるというよりは、両手に持ったそば粉同士をスリ合わせる感じがいいと思います。こまかいそば粉の部分を、ダマにこすりつけて崩す感じ。言い換えれば
、そば粉でそば粉を引っかく感じ、です。とにかくそば粉を固めようとしてはいけません。

この作業で最大2センチ程度のダマとこまかいダマの混合状態になったら、一転して、両手同士のこすり合わせる力を少し強くして、こまかい粒子たちを大きめのダマに成長させます。

このとき2センチ程度のダマはそれ以上大きくならないようにします。コツはとにかく木鉢上では「捏ねないこと」。捏ねて大きなダマを作ると、あとで蕎麦切れの原因になります。

1分程度続けるとダマの成長が止まります。そこで最後の調整加水に入ります。

まずダマたちを一旦全部鉢の向こう側に押しやります。次に大きなダマを手前にかき寄せて、向こう側にこまかい粒子を残します。

このこまかい粒子の上に、残る4グラムの半分程度を加水します。加水したら粉全体を左右から交互に押して、そば粉を左右に運動させます。



すると、細かいダマが他の部分と同じように大きく育ちますので、そうなったらまた全体を軽くもみ合わせます。

ダマが育たなくなったら、最後に残る水 (2グラム程度) をたらしながら、ダマ全体を手のひらで下向きにおさえながらゴロゴロと転がします。ダマはすぐにピンポン玉程度になりますので、さらにダマをダマの上に乗せるように転がします。

これで濡れたダマ同士がくっついて、ひと固まりになって行きます。ひとかたまりにならない場合は、さらに一滴、二滴と水をたらします (これは鉢に落とす感じがよい)。



できました。ダマがひとかたまりになっています。

ここで手を洗い、菊ねり、へそだしをしてから、つぶしてドウにします。



ドウです。かなり殻がはいっているのがわかります。玄蕎麦から挽いたそば粉は何度か打っていますが、私が打ったものの中では一番星が多いものだっと思います。



延ばしたところです。今回は200グラムなので秘儀四角玉延ばしで延ばしました (500グラム打ちの場合は、普通に「丸のし」して「角だし」して打つことができます)。

生粉打ちは十分可能とはいえ、このそば粉はさすがに普通のそば粉よりは粘りがありませんので、ここで麺棒を引きずるような (たとえば猫手方式の) 延ばし方は避けた方が無難です。コロコロ加圧で真上から加圧して延ばしてください。

畳み方は、画像の右側を左側に畳んで細長くしてから、次に手前を向こうに折り畳みます (500グラムでは生地が横に二倍以上広がり、ほぼ真四角になりますので、左右に二回畳んでから、手前を向こうに畳みます)。



畳んで切ったところです。生地が四層しか無いので、手前の畳み部分の曲率が小さく、畳み際が割れていますが、他の部分は問題なくつながっています。



トレイの上にとったところ。これを静かに湯に落として、約40秒茹でます。



できました。美味しそう。食感は次項に書きます。



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