画期的!
お茶パックだし濾し法
(つゆも濾せます。ラーメンスープも濾せます)
更新 040320 (つゆを濾すワザを追記しました)
初稿 040314
1. まえがき
素人蕎麦打ちの場合、だしは大量にはとりません。薄削りを使うケースも多いでしょう。そうした素人に最適な画期的だし濾し法をご紹介しまょう。
2. 概要とメリット
この方法は、薄削りではまず金網で大まかなダシ濾しをおこないます。次に網を通った細かい粉をお茶パックを利用して除去します。厚削りも同様ですが、少量の場合は、金網を省略して、直接行えます。
利点は従来の方法と比べて次のようになります。
・だし濾しシートに比べて
・カリタ、キッチンペーパーなどに比べて
3. 使うもの
・とってのついた金網
・大きめの漏斗
・お茶パック
・輪ゴム
4. 準備
では手順です。まず漏斗の先にお茶パックをつける作業をします。
これがお茶パック。本来はお茶を中に入れて、ティーパックのように使うものです。
まずお茶パックに漏斗の先端を入れます。
巻き付けます。
輪ゴムで止めます。これで準備完了です。
ここで、漏斗の管がは必ず先細りになっています。これは成型の都合です。お茶パックを軽く引っ張って簡単にとれてしまうようなら、パイプ部分の外側をキッチンハサミで挟みながら回転させて、軽く表面を荒らしておけば落ちなくなります。
5. 実際の手順 -- 荒濾し
まず金網をつかってダシを濾します。
厚削りの場合や煮干しのだしの場合は、ざっと流すだけでOK。薄削りの場合は菜箸をつかってダシを絞ってください。
金網だけを通しただしです。当然、細かいダシガラがたくさん入っています。これをお茶パックでとるわけです。
6.お茶パックでさらに濾す
さあ、本濾過をします。漏斗を手で持って、ダシを上から入れます。するとダシがお茶パックで濾されて出てきます。
お茶パックに残った細かいダシガラの様子です。パックは使い捨てにします。
できました。300cc程度のだしをとる場合、だし濾しシートに比べて5%以上多くダシがとれます。この違いはシートに含まれて残る分の有無の差です。
というわけで、少量のダシとりに最適なお茶パック法。みなさんもいかがでしょう。
7)そばつゆを濾す
「倉嶋一雄監修/今日からできる蕎麦打ち/リフレ出版」という書籍に出てくるノウハウですが、「そばつゆを濾すと滑らかになっておいしい」というのがあります。厚削りではそれほど効果を感じませんが、薄削りの節を使う場合は、たしかに効果があります。
ちなみにこの書籍では、かないまる同様厚削りをボキボキと粉砕してからダシをとります。わりと近いところを考えていますね。センスがいい(^_^))。
しかし書籍ではキッチンペーパを使っており、これはいただけません。紙臭いと思います。伏高の出し濾しシートは紙臭い臭いはありませんが、一度やったらシートが醤油色になり、以後やめてしまいました。
これに対して、お茶パックなら無臭なうえ、使い捨てですから変色は問題ありません。一番下の補足5)のスタイルでやれば、PETボトルやガラスボトルに移しながらでも濾過できます。
これはガラスボトルに濾し入れている様子です。つゆが出来立ての熱いうちでも全く問題ないので、ほぼ無菌状態も同時に実現できます (ただし漏斗の耐熱温度だけは確認しておいてください)。
補足)
H1. パック取り付けのバリエーション
蕎麦のだしではまずありませんが、野菜を煮込んだラーメンだしのようにゼリー分の多いものを濾すと、巻き付け方式では表面積がたらなくて詰まってしまいます。そこでパックをふっくらと膨らませてかけておくと、通りやすくなります。なお、このようにしても、下記補足5)の方法は多能です。
さらに「だし&麦茶パック」というものがあります。
比較すると明らかに大きい袋なので、詰まるということはまずなくなります。
H2. より完璧に濾したい
お茶パックを二重にかけるとより完璧です。このとき上記画像のように外側を広げて取り付け、漏斗を少し傾けてだしを濾すと、流速がを下がってダシガラを完全に除去することができます。
H3. 金網は省略可能のケースも
厚削りの節の場合や煮干しの場合はダシを絞る必要がありませんから、少量の場合は金網作業を省略して、いきなり漏斗に落としてOKです。
H3-1. 漏斗さえ要らないケースも
ケトル法の場合は、もちろんケトルから直接漏斗にそそぐことができますが、実はパックをケトルの注ぎ口にかぶせて、菜箸、またはトングで抑えながらだしを注ぎ出すことで、漏斗さえ炒らないというワザもあります。
H4. 金属製の漏斗は使用禁止
漏斗は手で持つので、プラスチック製でなるべく大きいものが熱くなくて使いやすいです。金属製の場合は火傷の恐れがありますので使うのはやめましょう。
H5. こんなワザもあります