激安・超強力脱酸素剤




更新 040327
初稿 040125


1.エージレスは酸化を防止する

蕎麦の風味を劣化させる一因は酸化です。そば粉を購入するとエージレスなどと呼ばれる脱酸素剤が入っていることがあります。これはそば粉の酸化を防止する処置です。

保存容器や袋の気密不完全を補助するほか、粉を小分けするのに袋を開けたときに入り込む酸素を吸い取るのにも有効です。

しかしエージレスは吸収容量が少ないので、開封したあとの気密確保がよくないとすぐに効果がなくなってしまいます。カチカチに固くなったらおしまい。

また、かつお節類は窒素封入により鮮度を保っている製品が多いようですが、開封後は酸化に対して無防備となります。エージレスをいれたいところですが、そう簡単には売ってないし、買うと意外に高いものです。

そこでエージレスよりはるかに強力 で価格は激安という脱酸素剤をご紹介しましょう。


2.これです



ん?。使い捨てカイロ?。そうです。ミニサイズの使い捨てカイロです (これは貼るタイプですが、普通タイプでももちろんOK。またもちろん普通サイズもかさばりますがつかうことはできます)。

使い捨てカイロの原料は、鉄粉、水、活性炭、バーミキュライト、塩 (食塩または塩化カリウム) などからできています。

鉄粉を塩類、水、活性炭と混合してあるため非常に錆びやすく、酸素があると吸着して酸化鉄 (錆び) に変わろうとする、つまり酸素を吸うというわけです。酸化反応は発熱をともなうのでカイロになるわけですが、酸欠になると発熱が止まります。

この酸素吸着方法はエージレスも全く同じであり、実際エージレスも空中に放置すると発熱します。中身もたいへんによく似ています。ま、結局同じようなもんです。

価格は脱酸素剤の十分の一以下。効果は体積がでかいだけ絶大です。


3. 使いかた



まず明かりに透かして中身を確認しながら (中身を切らないように)、袋のコーナー4箇所をハサミで斜めに切ります。



カットしたところはこんな感じです。ホカロンの包装シートはかなり硬いので、粉の袋を突き破ることがありますので、各コーナーは丸くカットしておきましょう。



カットした穴の大きさは10ミリ程度です。

酸素吸収力を実験してみましょう。コーナーをカットした袋入りカイロを空気をいっぱい詰めた状態で袋詰めします。



半日後の状態です。左はただの空気の袋詰め。右がカイロ入りですが、見事にしぼんでいます。これは空気中に1/4含まれる酸素が吸収されたからで、残ったのはほとんど全部窒素です (詳しい組成はたとえばここ。)。



つかいかたはエージレスと同じ。そば粉をいれる袋の上部に放り込んでおけばそれだけでOKです。粉の下の方の酸素を吸わないような感じがしますが、気体の空濃度分布は密閉空間内で一様になろうとする性質がありますので、隅々まで酸素は吸着されます。



これはカイロを出した状態で使っている様子です。手早くやればこれでも使えますが、もたもたすると発熱してしまいますので、外袋は残したほうがいいでしょう。

なおエージレスと同様に、カイロがカチカチに硬くなったら使い終わりです。安いものなので早めに交換しましょう。


4.他の応用

そば粉以外では、玄蕎麦や抜きの保存も使い捨てカイロを併用すると鮮度が保てます。実は先日、床下収納庫に一年前の「抜き」が入っているのを発見。半年前ほど前に最後に使って保存したものです。カイロは固くなってきていましたが、まだカチカチではありませんでした。つまり酸欠保存になっていたわけです。

製粉して食べてみました。さすがに新鮮な香りはありませんが、いやな味はなく、十分においしく食べられました。

もしかすると、新蕎麦のうちに玄蕎麦や抜きで購入し、使い捨てカイロを封入して冷蔵庫で保存すれば、製粉会社の保存より鮮度が保てるかもしれません。

また新米の時期に米を購入し、普通サイズの使い捨てカイロを入れて密封保存したら「半年経っても新米の香りがした」という記事をネット上で読んだことがあります。私自身はやったことがありませんが、まあ本当でしょう。農家から共同購入などをされている方は一時期に多量の米を購入するでしょうから、試してみてはいかがでしょう。

このほか、かつお節や煮干しの製品にはエージレスが入っていないのが普通ですが、開封後、粉と同様にカイロを放り込んでおくだけで酸素はなくなり窒素封入とほぼ同じ状態になります。

そうそう、煮干しは鮮度が落ちやすいものですが、ビックリするくらい保存性が上がりますよ。



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