縄文は熟成する…らしい
初稿 030727
一般に打ち置きのそばはおいしくないのが普通です。特に素人に販売されるそば粉は、一回分を打ってすぐ食べることを前提にチューニングしてあるはず。
打ってすぐより2〜3時間なら経過した方が美味しいということは比較的よくありますが、数時間以上の打ち置きは何らかバランスが崩れるのが普通です。
たとえば白樺はポリポリ感が強調されますし、多くのそば粉は歯ごたえが悪くなったりボソボソになったりします。
ところが先日、高山製粉の縄文を打った直後に出かけることになり、生めんの状態で全量を冷蔵庫 (野菜室) に保存。そのまま外食したので、蕎麦はそのまま24時間保存することになってしまいました。
で、ダメかなと思いながら食べてみましたが、これがびっくり。美味しい!。
実は縄文を打ち置くと別の食感になり美味しい、というのは気づいてはいました。最初はアレっという感じだったんですが、当webの読者からも、昼打って、夕食に食べた縄文がおいしくてビックリというメールをいただき、おっと思いました。しかし、これまで確認したのはせいぜい8時間まで。
ところが24時間経過した縄文はさらにいい。まず見た目がいい。透明感があり、表面がつやつやしています。打ちたてより沈んだ色になりますが、それがまた深い感じがします。
次に食感がまたいい。舌触りが格段にいい。歯ごたえも実にいい。そして驚くべきは味です。甘いし旨みが強いし、そばの香りも深いものに変わっています。
そう。これは、記憶に残るあの幻の相模湖畔のそば (粗挽きそば編 a1参照) の食感に近いのです。そうだったのか…という感じ。もう少し色が緑っぽくて、より偏平に打てばより近くなるでしょう。
これまで打ち置きでおいしかったそば粉がなかったわけではありません。しかし打ちたてが固くなりすぎるそば粉で例外的に起こることで、打ちたてでも美味しい縄文は初のケース。
そして縄文の変わりかたは、蕎麦では珍しい「熟成」とでも言える変化なんですね。いやー、新発見。
なにか他のそば粉にない成分でもあるんでしょうか。そういえば生産者は革新的なかたで、そもそも栽培方法が普通じゃないようなんですが、そのへんが関係しているかもしれません。
ぜひ一度お試しください。
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