石碾屋の超粗碾粉(4)




初稿030209


最後に「玄」の中身に迫ってみることにします。前ページで触れたエグミが、どういう粒度で構成されているか勉強のため、「玄」を60メッシュでふるい分けてみようというわけです。

まず200グラムの玄を篩って、篩を通った細かい方が150グラム。残ったのが50グラムでした。「玄」の75%は#60以下の細粒部であるということになります。

次に、「玄」そのもの。「#60を通った細粒部」。「#60の抜きカス」それぞれを蕎麦きりにしてみました。



茹でた順番は、#60以下の細粒部→玄そのもの→#60の抜きカスの粉の順です。茹で時間はいずれも約35秒。立て続けにやりましたので茹で始めから約3分で三色盛りができました。

さっそく食べ比べてみました。

まず「玄」。これで三回目ですが、かなり打ち方が安定してきました。エグミはありますが強い香りもあり、好きな人はこたえられないでしょうね。三回目にして歯ごたえは完璧です。舌触りはもう若干改善したいところですが、これはまだ打ち方が改善の余地がありそうです。

#60を通った細粒部は、「玄」の強烈さはありませんが、まだ基本的な強い香りはほとんど残っていました。一番最初に強烈に飛び込んでくる部分が後退していますが、その代わりにかみ砕いてから口の中に広がる別の香りが味わえました。玄は濃い味と香りが食べている間続きますが、分離できないこのような香りが渾然一体となって玄の特徴をかたちづくっているということなんでしょうか。

さて、目的だった#60メッシュで篩いに残ったカスで作った麺。いやー、びっくりしました。まずい(^_^;)。単独で結構美味しい細粒部に、このカス部分の味が加わって、商品として完成している玄ができているというのも不思議なもんですね。粒度と部位の分布。奥が深いです。

ちなみに、このあと20メッシュの「抜き」も篩ってみましたが、#30に5%ほど引っ掛かり、さらに#60に30%ほど引っ掛かりました。残りの65%が#60をとおったわけです。

そして#60を通った細粒部を麺にして食べてみましたが、こちらは「玄」と違い凡庸な麺でした。「玄」は細粒部にも蕎麦の特徴が入り込んでいるのに対して、「抜き」は外層にその特徴のほとんどをゆだねているといえるのでしょうか。

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というわけで、「抜き」と「玄」。たいへんにおもしろい経験をさせていただきました。お忙しい中、貴重なそば粉を研究用にわけてくださった石碾屋の髭爺さんに感謝します。ありがとうございました。

冒頭にも書きましたが、このそば粉は非売品です。このレポートを見て「私にもください」というメールを出さないようにしてください。いずれ余裕ができたら、胡桃亭さんのように有償頒布も考えてくださるでしょう。それまではこの美味しい蕎麦を食べに、お店へ出かけて上げてください。



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