石碾屋の超粗碾粉(3)




初稿030209

次は「玄」34メッシュです。

「玄」のメッシュは34ということで、最近私の定番のひとつである高山製粉の縄文や、古川製粉の粗挽き(メール会員向け)とほぼ同じメッシュです。でも粉のザラっぽさは随分違います。

それはともかく、古川製粉も高山製粉も丸抜きから挽いているようなのに対して、「玄」は玄蕎麦から碾いていていますので、感じが断然違います。

では打った感触です。

まず加水率ですが、粉152グラムに対して加水合計83グラムとなりました。加水率は54%程度。

水は「南アルプスの天然水」よりさらに軟水の「ルソ」を使いました。硬度8のポルトガルの水ですが、私の最も好きな水です。



ドウです。星が目立ちますね。生地そのものの感じはわりと普通の感じ。特にまとめにくい感じはしませんでした。



ドウのアップ。星が強烈ですね。

次は延しですが、これも石碾屋さんにならい共粉でやってみましたが、なんの問題もありませんでした。



切り上がりです。共粉の打粉がかなり目立ちますが、畳んだ内側は控えめにしてあります。約1.5ミリ幅に切ってあります。



クローズアップ。なにやら星だらけ。これは別のドウから延ばしたもので、切り幅は1.4ミリ前後です。甘皮や蕎麦殼が星になってハッキリ見えますが、これだけ臓物が多い麺は初めてです。左のめくれ上がったところが切断面。表面の白っぽいのが共粉の打粉です。



盛り上げたところです。いやー、黒い。カミさんがびっくりしてました。

さて、食感ですが、実は「玄」ではひとつ事件が起こりました。都合三回打っていますが、その初回、やや歯ぬかりを感じたのです。このことを石碾屋さんに報告したら、それはないはずだということでした。

この犯人は冷蔵庫でした。実はそば粉は「抜き」「玄」とも同じ日に送っていただきましたが、そば粉を痛めてはいけないと思い、一日あとに打つことにした「玄」は冷蔵しておいたんです。

普段は冷蔵庫から出して常温にしてから打つところを、この日は帰宅後やや気が急いだため、完全に常温に戻っていないうちに打ったせいで歯ぬかりしたようです。

その後冷蔵庫から出してから半日以上たってもう一度打ってみたら、加水率は全く同じでしたが、歯ぬかり感はありませんでした。また歯ごたえ感や香り、味まで違いました。

私は冷蔵庫から出してすぐはあまり打たないのですが、たまに急ぐときはやや冷たくても打ちます。白っぽいそば粉だとこれで大きな事故にはなりませんが、この「玄」は外層部分が絶妙な配合で含まれているせいか、こんな些細なことでバランスが崩れるんですね。

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では、打ち直した上での味に関する感想です。

まずこれもなかなか美味しいです。またとても個性的。私はこのホームページで、外層を多く含む粉はあまり好まないと書いていますが、この粉は比較的バランスがよく、外層を挽き込み強烈な味わいを出すというコンセプトをうまく生かせていると思います。

味わい的にはかなり強い香りが信条で、いかにも蕎麦を食べているという満足感がありますね。実際石碾屋さんでは、女性客を含めて、蕎麦をあまり食べたことがない方にもかなり好まれるそうです。

ただ、外層のエグミが感じられないかというとそれはなくて、私はそのへんに敏感なので、分析的に味を見れば、そのへんはまあゼロではないなという感じですね。

ちなみに「抜き」とどちらが好きかといわれれば、「抜き」ですが、「玄」も、これはこれでとても美味しい蕎麦だと思います。

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つゆについて。

実は一回目に「玄」を食べて、歯ぬかり以外にもう一つ気になったのが、私の常用のつゆと「玄」が、全然合っていないということです。このそば粉の挽き方をチューニングする時に石碾屋さんが使ったつゆは、お店で出しているつゆそのもののはずですが、それでないと本当のところはわからないわけです。

で、そのへんをうかがったところ生がえしを使っていることがわかりました。それも4カ月も寝かした生がえし。いやーマニアックですねえ。

で、思い出したのが、友人が去年のそば会用に作ってくれた生返しが冷蔵庫に100ccちょっと残っていること。これなら仕込んでから3カ月以上寝ています。さっそくだしをとってつゆにしてみました。

結果は驚くべき事に、バッチリでした。多分この味のほうが石碾屋さんの狙いに近いでしょう。もちろん石碾屋さんと私ではダシのとり方ひとつとってもちがうでしょうが、本返しと生かえしの違いは極端に大きいので、相性をはっきり指摘できる感じです。

ちなみに、今般生がえしの検討をはじめましたが、きっかけはここにあります。


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