石碾屋の超粗碾粉(1)




更新100417
初稿030209


現在Googleで「粗挽きそば粉」を検索すると、なんとトップには当かないまるのサイトが出てきます。しかし、実は「挽く」は正しくなく「碾く」が正しいそうです。

ご自身で調整した石臼による粗「碾」きにこだわり、その研究が嵩じてついにそば屋を開業してしまった、といえば石碾屋さん。

ネットの世界で蕎麦打ちを研究したことがある方ならきっとご存じでしょう。とりわけ20メッシュのそば粉は、そば屋さんが営業用として使っているそば粉としては、現在最も粗いのではないでしょうか。

さて、ご主人の髭爺さんとは某メーリングなどでいろいろと意見交換をさせていただいています。そして、メッシュと粒度分布のバランスに関連して、このたび双方の研究の一環として石碾屋さんのそば粉を打たせていただくことになりました。

石碾屋さんにはレポートをお送りし、いろいろと突っ込んだ話をさせていただきましたが、許諾をいただきましたのでその一部を公開させていただきます。石碾屋さんのそば粉の話はご自身のサイトに詳しいですが、それを他人が打つとどうなるかという視点がポイントです。

なおこのそば粉は非売品です。石碾屋さんは開店間もないこともあり、そば粉を販売する余力はありません。このページを見て石碾屋さんに「そば粉をわけてください」というメールを出すことはやめてくださいね。販売が可能になったら、石碾屋さんのサイトで案内があることでしょう。

その代わり、秋田県本荘市の石碾屋さんの近所を通ることがあったら、ぜひお店に立ち寄ってください。美味しくて個性的な蕎麦にめぐり合えること請け合いです。


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さて、今回打ってみる粉は、石碾屋さんのお品書きのページ(注1)にある、「抜き」と「玄」です。


「玄」は電動の石臼で碾かれ、34メッシュ()の篩で篩ったそば粉。「抜き」は手碾きの石臼で碾き、20メッシュを通したそば粉です。

そば粉を眺めてみましょう。



これは「抜き」を黒い盆の上に広げ、1センチ四方のエリアを拡大した画像です。かなりツブツブがハッキリ見えます。胡桃亭のそば粉が比較的カドのとがっていない粒なのに対して、石碾屋さんのはかなりとがっている感じで、全く感じが違います。



これは粉を少し広げてみた様子ですが、大きい粒はかなり大きいものの、「それより少し細かい」という部分が比較的少ない感じです。そしてさらに細かい部分が相当に多く含まれているようです。

これが胡桃亭のそば粉だと、比較的粒度分布が連続的な感じがし、そのわりに最も細かい部分が比較的少ないのと対照的です。

私は石臼のことはわかりませんが、石碾屋さんは目立ての工夫で粒度をコントロールし、胡桃亭は上下臼間にスキマを作ってコントロールしているような、そんなイメージを持ちますね。

とにかくそば粉の粒度分布は、胡桃亭とは相当に違う感じです。実は石碾屋さんのwebでは、打粉に共粉を使っていると書いてあります。そのことを読んだ当時、胡桃亭で共粉を試しましたが、あまりうまく行きませんでした。ザラザラすぎて麺線を覆えないのです。なので石碾屋さんが胡桃亭より粗い20メッシュで共粉、というのがたいへんに不思議でした。しかし粉を実際に見て納得です。

一言で粗碾きといいますが、20メッシュ付近を使うこの領域は「超粗碾き」とでもいえるでしょう。でも店ごとに全く違うそば粉を作り、特長を出そうとしているということがわかったのが、今回の最初の収穫です。



こちらは「玄」で、やはり1センチ四方を拡大しています。丸抜きではなくて玄蕎麦をそのまま電動石臼で碾いているそうですが、こちらは篩が34メッシュなのであまり大粒はありません。また粒度の細かい部分がリッチなので、大きい粒はそれに包まれているようで、それほどは目立ちません。

ただ見た目の全体的な荒々しさはかなり強いですね。たとえば高山製粉の縄文や古川製粉のメール会員向けの粗碾き粉もほぼ同じメッシュだと思いますが、両者とも写真をとると細碾きと区別がつきません。これに対して、「玄」は見た目も相当粗そうな感じがします。



「抜き」の二枚目と同じ距離からの画像です。この距離だと普通の粗挽きは細挽きは全く区別が付かないのが普通ですが、「玄」はまだかなりツブツブ感が見て取れます。

では「抜き」から打ってみようと思います。


(注)メッシュとは
1インチの中に何本の目があるかで篩の細かさを示す言葉。実際は針金やナイロンなど、使っている線の太さで開口が変わる。なので、実は簡易的な表現で、日本でしか通用しないといううわさもあるが、合羽橋へ行ってみれば、篩の目はこれしか表現されていない。(文中へ戻る)

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