高山製粉の「縄文そば粉」(3)


更新021219
初稿021215


では「縄文」を打った感じと食感です。

縄文はつながりの点では「粗挽きだから」という難しさはほとんどありません。さすが忙しい本職向けのプロ仕様ですね。実際細挽きの白樺や蓼科と同じ手順で簡単につながってしまいます。

白樺よりは粘りが強いので、分散加水の段階で指をきちんと立てて行わないと、べとついてかえって大変なほどです。

くくりに入ってからの吸水がやや多いので(胡桃亭ほどではありませんが)、最後の菊ねりで玉を両手で包み、圧力をかけるようにするのがコツ。延しはあまり難しくないと思います。

加水率は45%でした。低い!。ロール製粉では珍しくない値ですが、石臼挽きのそば粉では私の出会った最も加水率の低いそば粉だと思います。新蕎麦だからという理由もあるでしょうが、とにかく知らないとあわてますので注意してください。ずる玉にしてしまうと持ち味が生きません。

なおその後の検討で、縄文の加水率範囲は非常に広いことがわかりました。詳しくはa11-1をご覧いただくとして、標準太さに切る方は43%前後をお勧めします。



切り終えた麺線のクローズアップです。麺の断面に甘皮の砕片が見えています。粉の段階でツブツブに見えていたものですね。特に量が多く見えた部分を撮影しましたが、平均的には左に見えている麺線程度です。

白いのは打粉です。現在私は、高山製粉の御膳粉を打粉として使っています。深い理由はなくて、普段御膳粉をよく使うので流用しているだけです。打粉として売っているものでもいいんですが、御膳粉を流用したほうが回転がいいということですね。打粉も蕎麦のうちですから、新しいほうがおいしいです。



茹でて盛りつけました。やや太め(マッチ棒程度)に延しべらに切ってあり、ゆで時間は40秒です。いつも打っている白樺よりはかなり黒っぽいです。



クローズアップです。所々に細かい星がありますね。そのため表面が透き通った感じがします。実においしそう。さて、実際の味は…。


さて、食感です。

いやー、美味しいですね。甘み、うま味が強く、歯ごたえもすばらしい。しっかりしているのに固いわけではない。噛んでゆくときの弾力を作る外側とやわらかい中心部のバランスがいい感じです。

また信州産特有の (というか高山製粉独特の、かな) 高貴な香りがします。これは単に上品とかそういうのではなくて、まさに「高貴」な感じ。ふとフルーティー系の大吟醸酒の香りを思い出したりします。

最初に口に含み噛んだとたんにそれは味わえますが、のみこむ時に、おそらく蕎麦の芯にあった香りが、のど越しを演出します。けっして強い香りというのではないんですが、なんとも幸せな感じ。

それと表面がつるりとして舌触りも極上です。胡桃亭のような超粗挽きは、さすがに舌触りがざらっぽくなりますが、35メッシュくらいの粗挽きはつるっと (ヌルっと?) するようです。表面の凹凸が打粉をよく抱えるせいなんでしょうか。そういえば古川製粉さんの特上印粗挽き粉もそんな感じがありましたね。細挽きのそば粉ではあまり経験しないことです。


さて、ぢつは、黒っぽい色の蕎麦は、おいしさ的には私の好みに合うことはまれです。しかしこいつは予想を裏切ってすげーうまい。気に入りました。定番化しそうな予感。

特に香りが好ましいのが意外ですね。かなり黒っぽい蕎麦になりますが、この色でこの上品な香りは、なんだろう。品種でしょうか。生産者でしょうか。製粉でしょうか。まあ、その三者のコンビネーションでしょうね。

この香りの良さが、新蕎麦のシーズンを終わっていつまで続くか、興味深いですが、少なくとも新蕎麦のシーズンである今は、疑いなくすばらしい香りです。

というわけで高山製粉の粗挽き粉「縄文」。これは超お勧めの逸品です。ぜひお試しください。



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