CPUの音質
100806初稿
1. 概要
次は動作の主役のCPUです。Socket478対応のCPUで音質がよいものを二つご紹介しましょう。
Socket478はPentium 4 (1.4〜3.4GHz)のために存在したソケットです。Pentium 4は、2000年から2008年まで作られていた息の長いCPUで、開発コードネームも三世代に渡っています。第一世代のウィラメットコアと第三世代のプレスコットコアはSocket478でないものがありますが、中間のノースウッド版は全てSocket478です。
お勧めは、何といってもノースウッドコアです。たとえば発熱が少ない特長があります。2GHz付近で比較すると、ウィラメットコア最速の2GHzが75.3Wでしたが、ノースーウッドだと52.4Wと2/3に下がります。これはプロセスが200ナノか130ナノに改良されて、動作電流が劇的に減ったためです。
ウィラメットコアとノースウッドは、キャッシュ容量やFSBは変更がありますが、内部設計はほとんど変わってませんから、音質も似ています。半導体デバイスはダイサイズが小さくなると低音が出にくくなる傾向がありますが、ウィラメットからノースウッドの変更ではプロセスルールから考えるとダイサイズが半減してもよいはずなのに、実際は約200平方ミリから140平方ミリと、あまり小さくなっていません。これは内臓キャッシュメモリが増えたからでしょう。実回路の割にダイサイズが大きいものは逆に低音が出やすいので、総合的に低音は同程度です。
そうなるとノースウッドの低ノイズ、低発熱(ファンノイズが下がります)はオーディオ用として最適といえます。
三番目の世代のプレスコットは、発熱が大きく低音も出ない傾向があり、オーディオ的には推奨できないものです。
2. お勧めCPU その1
まずPentium4-M 1.6GHzがお勧めです。
「え、ノート用?」と思われた方はPCの知識が深いですね。そのとおり、ノート用です。でもPentium4-Mはデスクトップでも動作するんです。その場合必ず省エネモード (電池動作モード) になり、1.2GHzで動作します。FSBは400MHzです。
基本的にCPUは、プロセスが同じなら動作クロックを下げた方が消費電流とノイズが少なくなります。インテルの歴代のプロセス中、おそらく最も性能と消費電流のバランスがよいのがノースウッドコアですが (最近のコアテクノロジーは別として)、デスクトップ用でもっともクロックが低いものは1.6GHz。これ以下はありません。
ところがこのノート用のPentium4-Mをデスクトップ用のマザボに取り付けるとバッテリー動作用の1.2GHzで動作します。そして大変にきれいな音質を発揮します。
Pentium4-Mは1.4〜2.6GHzの製品があります。かないまるは1.4GHz〜1.9GHzまでのものを10個くらい集めて比較試聴したことがあります。全てオークションで入手して、テスト後はまたオークションで手放したので、お金はあまりかかっていません。
当然クロック周波数に関係なく全て1.2GHzで動作します。でも音質は同じではなく、
チャンピオンは1.6GHzのものでした。画像のものは1.9GHzで二番手。同じプロセスナンバーのものは似た音がしますが、個体差のほうが大きい感じ。いずれにしてもCPUは複数入手して選別するのが最善なんですけどね。
このCPUはノイズが少ないためとても美しい音がしますが、問題はメカ的に弱いことです。PentiumIII時代と同じシリコンチップむき出し形状で面積も小さいので、コア欠けという事故がおきやすいほか、ヒートシンクがグラグラになりやすくて低音は少し弱めの傾向です。
2. お勧めCPU その2
もう一つ音のいいCPUがあります。FSB=800MHzの、ノースウッドコア 2.4〜2.65GHzのデスクトップ用 Pentium4です。これをハイパースレッディングで動作させたとき、「おっ」と思いました。いい音。

デスクトップ用のノースウッドコアのPentium4は、チップがむき出しではなくてアルミ板で覆われています。このためメカ的にはとてもいいので、どのFSBのバージョンを使ってもしっかり音が出ます。
しかし、FSB=400MHz、533MHzのPentium4は最低周波数のものを選んでも1.6GHzです。そのためか1.2GHzで動作するPentium4-Mに比べると少し硬い音がして、なかなか良さが行かせません。かないまるが極端に硬い音がキライだということもありますが。
ところがFSB=800MHzのPentium4はとても音がよくて、メカ的な良さが俄然生きてきます。ハイパースレッディングを止めてもわりといい音がしますが、オンオフの実験ではハイパースレッディングをオンにしたほうがよい音がしました。
音がいい理由は、FSBが高いとメモリもCPUも短時間に仕事が終わり、ノイズ環境的に静かに見えるんでしょうか。ハイパースレッディング時はさらに根本的にノイズパターンが違うのかもしれません。
Pentium4 FSB800MHzの中でどれを選ぶかですが、TPDとのバランスを見ると、2.6GHzが69.0W、2.8GHz(D1ステップ)が69.7Wで、この二つがお勧めです。
2.8GHz版はM0ステップのものは75.1Wで少し発熱が大きく、3GHz以上は82〜89Wとなり電流が増えますので、かないまるは避けています。もう一つ2.4GHz版にも800MHz品がありますが、ハイパースレッディングがないステップのものも存在していて、これも避けています。
2.6GHzと2.8GHz(D1ステップ)は、WindowsXP+ビジネスアプリ (ワード、エクセル、メールソフトなど) ならわりとストレスなく動きますので、安価なメインPCとして中古パーツで今組んでもたぶん損はしないでしょう。