自作PC第三号
 

 
更新 2005/01/10
初稿 2005/01/06


 
1.まえがき

昨年(2004年)末から使っているPCをご紹介しましょう。そんなのいいから早く7000勉強会をやれといわれそうですが、これは書いてあった文書なのでご勘弁。

前回のPCは2001年夏に作っているので、丸3年ぶりの自作となります。仕事に使う分にはまだまだOK。実際会社のPCはその程度のままです。

しかしDVD-Rを焼きはじめ、映像処理もはじめたので、さすがにプアなので更新しました。

組み立ては昨年4月スタート。ハード自体はすぐできましたが、WindowsXPを入れたところ好きになれず、アクチベートを二回期限切れ。一回30日ですが、途中が忙しくて半年以上経ったあげく、Windows2000にしてして本格稼働となりました。

しかしもうすぐ親指ノートが来るので、WindowsXPに慣れておく必要があるのと、2000は2000で、そろそろ賞味期限が切れるので、正月開けてから変更し、現在はWindowsXPになっています。

というわけで自作PC三号。ご紹介しましょう。

2.全体像



これが側面パネルを取った状態。まあ見た目に変わったことはありませんが、ケースとマザボがともに配線ルートをよく考えた組み合わせになっているためか、配線が綺麗にまとまってうれしかったです。

2.1.ケース

今回は安価なA-open製の鉄ケースを使っています。H500A-300Wという型番。鉄なので安くて、たしか一万円以下だったと思います。A-open製にした理由は、伏せ型のケースを会社で使ったことがあり、実によくできているのに感心したからです。

このケースは「A-open」と呼ぶ人もいるそうで、設計がよくとても丈夫で、CD-RやDVD-Rの焼き上がりの音質がいい感じで仕上がりました。


2.2.マザーボード

マザーボードはASUSTeKのP4PEです。ギガbitLAN、IEEE1394、SATA、6チャンネル音源がついている上位モデルを購入。実は上位品を使う気はなかったのですが、このマザボは購入時期に人気があったもので品薄でした。。

ところが、やや値段の高い某ショップに積んであるのを発見。やはり高い。ところがよく見るとその商品は上位モデルだったのです。値段カードは下位モデルになっていましたが実物は上位モデルなので格安。気づいた私はもちろん速攻でレジへ。すんなりその価格で買えました。

ちなみに、一時間後にちょっと様子を見たら、商品が無くなっていました。気づいたようです。

2.3.CPU

ペンティアムWの2.53GHzです。リテール品で、もちろんクロックアップもしません。大切なデータを扱うので、こういうところでリスクはとりたくないと思っています。ヒートシンクは静音型に買い換えるつもりだったのですが、付属しているものが意外に静かでなのでそのままになっています。

2.4.メモリ

某販売店のおねえさんに「売って安心で価格の安いのを下さい」と言って買いました。すんごい商品知識のある女性で、CPU、メモリ、HDD、OSと、マザボ意外は全部ここで買いました (ケースも階は違いますが同じショップです)。

で、メモリですが、あまり聞かないブランド。メモリは相性問題がありますが、マザボはほぼ一番遅い設定を自動設定してくれまして、調子はいいです。容量は1G登載しました。ベースクロック133MHz。FSBは533MHzです。

3.電源

電源は以前からボチボチ検討していて、現在ついているのは SUPER FLOWER社のFS450-TSというものです。14センチのファンを持っていて、静音運転時はたしかに静か。九十九電機で実演販売している数台から、ファンノイズが一番ホワイトに聴こえるものを選びました。

装着してCD-Rを焼いてみると帯域がとても広いやわらかい感じの音に焼け、S/N感もよく気に入りました。

販売は日本のzaward(ザワード)という会社で、かつて名品といわれたセブンチーム製電源の総代理店もやったことがあると聞けば、良い電源を扱っていても不思議でないような気がします。ちなみにSUPER FROWER社は、台湾R&D、中国製造で、販売面からザワードがコントロールしているようです。

4.ドライブ類

4.1.CD-RWドライブ

まずCD-RWドライブはプレクスター。音質CD-R焼きの定番ですね。型番は「PleXWriter16/10/40A」。なんといっても「一倍速のCLV焼き」ができるのが大きいです。音が抜群にいい。

最近、一倍速焼きを持っていないドライブや、一倍が有っても二倍速以上で焼いた方が音がいいドライブもあり、プレクの一倍はやはり存在価値が大きいです。

付属のライティングソフト「B's Recorder GOLD for Windows」は、下記のDVD-Rドライブを認識しなかったので、DVD-Rに付属のものを使っています。

4.2.DVD±R/RWドライブ

メルコ(BUFALLO)のDVM-4242FBを使っています。ドライブは実はソニー製で、ソニー型番はDW-U12Aになります。このドライブはとてもよくできていて、ソニーブランドを買ってもいいんですが、値段が一万円以上も違ったので、素直にメルコを買いました。

4.3.HDD

まずCドライブは、200GBのパラレルATAドライブを使っています。MAXTOR製で7000回転の油膜ベアリングです。前のPCから引き継いで使っていますが、特に問題は出ていません。

もう一台のHDDは、シリアルATAドライブ300GBを使っています。もちろん油膜ベアリング。そしてMAXTOR製。

実はシリアルATAを使う積極的気持ちは無かったのですが、販売店で300GBに200GBの値札がついており、これだと1万円以上安いので速ゲット。なんか最近のショップは商品管理がなってないですね。ぜひこのよい習慣を続けてください(^_^;)

ただしP4PEマザーのシリアルATAコネクタはRAID用になっていて、別にRAIDをやる意志がないことと、性能も低いという情報もあり、RAID非対応のシリアルATA用PCIカードを購入しました。EIO製のDM8301H(Non-RAID)というもので、2800円くらいでしたが、200Gと300Gの値差は一万円以上ありますから、まだ全然元がとれてます。

それと、このドライブは一度事故を起こしました。使っているうちに接続が切れ、そのあとWindowsXPがフリーズ(!)。1%くらいの数のファイルが吹っ飛んだのです。

原因はSATAのコネクタの接触不良だったようで、接点プロを塗布後は何事もなかったかのように動いています。ただし壊れたファイルはアクセスするだけでWindowsXPがフリーズ(!)するので、セーフモードで残っていた全部を救い出すのに丸二日かかりました。もちろんバックアップはありますが、少し古かったので、バックアップの無いファイルが大変でした。セーフモードでも、ファイルの複写は止まってしまうので、どこで止まったか監視しながらのコピーは大変なことでした。

この原因となったシリアルATAケーブルのコネクタ規格。この転送速度に使うような代物ではないですね。みなさんどうかご注意を。


* P4PEマザーボードで、PCIバス用のSATAカードを追加して使う場合は、マザーボードのオンボードのRAIDをBIOSで殺しておく必要があります。

* I社製ドライブについて
2001年当時、I社製のHDDを使っていて、記事内に「お勧めです」と書きましたが、撤回します。合計で5台ほど買ったのですが、この三年間で4台死んでしまいました。昨年はノートPCのHDDも死にましたが、これもI社製。う〜む。

5.ハードディスクのクーリング

ハードディスクは映像編集で長時間データを書き続けること。ケースが鉄製であることから、徹底した放熱をしてあります。



まず正面。上からプレクのCD-R/RW、メルコのDVD±R/RW。その下のヒートシンクのようなのが、実は3.5インチのHDD二台です。ヒートシンクには多数の丸穴が三列開いていますが、ここが空気取り入れ口になっています。





全体はアルミダイキャスト製で、内部はこんなふうになっています。三列の穴の一列目は、なんと正面から斜め上方に向かって開けられていて、ヒートシンクのフィン間に貫通しています。下の二列は画像でも見えるようにHDD本体の下面に空気を流す設計。

片々雑事7番-60)にも書きましたが、このヒートシンクをつけると、HDDを卓上に転がして使ってもほとんど熱くなりません。




ケース内では、現在5インチベイがびっしり埋まっています。こんなことをすると普通はHDDが高熱になり寿命に響き、またCD-R類にもよくないんですが、このヒートシンクの存在が劇的な効果を発揮します。

まず温度ですが、フロントパネル面のアルミは全くと言っていいほど温度上昇しません。冬場の現在は、何時間使ってもヒヤっとする状態です。内部は若干温度が上がりますが、鉄シャーシの3.5ベイに取り付けられたHDDよりは格段に冷えてくれます。

またがっちりとしたアルミブロックに熱拡散用コンパウンドでペタっとくっつけるので、HDDのノイズも小さくなり静音性が上がります。シャーシの補強にもなるんでしょうね。CPUファンの音も静かになる。おまけに構造がしっかりするのでCD-RやDAD-Rの音もよくなる。ゴキゲンです。

なお空気は電源ファンの負圧で引き込む設計ですから、ケースの蓋を締めておく必要があります。ケース蓋を開けっ放しで使うと、さすがに多少温まりますが、それでも鉄ケースとの熱結合と、正面の放熱フィンが効いているのか、けっして高温になって行くことはありません。PC二号はアルミケースだったので放熱がよく、HDDが温度上昇する心配はほとんどありませんでしたが、鉄ケースでもこういうのを使うと非常に具合がいいですね。

ただこのヒートシンク、実は値段が5000円程度と、かなり高かったと思います。二個買うとケースとの合計がアルミケース並。でもHDDはむしろ低温をキープできますし、構造的に強いので非常に価値があると思っています。

6.FDD

最近はほとんど使いませんが、一応FDDもつけてあります。ミツミ製で1980円でした。

7.ボード類のご紹介

ここからはAGP/PCIバス上のアイテムをご紹介しましょう。



A.グラフィックボード

グラフィックボードは、ATIのRadion9000を購入しました。ATIの色調がもともと好きなのと、描画力のわりに消費電力が少なくてファンレスで使えて静かというのが理由です。

ところがリテール品は見栄えのためなのか、みな格好いいファンがついていて、ファンレスのものがほとんど見つかりませんでした。しょうがないのでここはバルク品になっています。

グラボは出来が悪いとWindowsの動作に影響するのでバルクは使いたくないんですが、まあしょうがない。

幸い特に問題はなく、フリーズなしにRGB出力で半年活躍。現在ナナオのデジタル接続可能なディスプレイを使っていますので、DVI端子を使い始めましたが、これまた好調です。

B.モデム

いまさらのアナログモデムです。会社のイントラネットに入るためのもので、選定経緯は別レポートをご覧ください。検討の結果、成績の良かったラトック社製(チップはPC TEL社)のREX-PCI56を装着してあります。

C.SCSIボード

かないまる邸ではスキャナがSCSIのままで、そのためのボードです。いまや一万円も出せばUSB接続の立派なスキャナが買えますが、現在使っているエプソンのGT5500は、スキャン画像に妙に魅力があり、現在も気に入って使っています。

ボードはプラネックスコミュニケーションズ製のSC-EX50というもので、Windows98時代の製品です。Ultra SCSI (SCSI-3)なので、20MB/sとSCSIとしてはもはや超低速品ですが、相手がスキャナ一台なので特に問題ありません。Windows2000ではボードは自動認識され、快調に動作しています。

D.IEEE1394ボード GV-DVC/PCI

I・O DATA製ののDV専用のIEEE1394ボード です。マザーボードにもEEE1394がついていますが、I・O DATA製の付属アプリが使いやすく、このアプリを動作させるためにGV-DVC/PCIをつけてあります。

GV-DVC/PCIをつけると、マザボのIEEE1394も付属アプリで使えるようになるのが笑えますが、マザボのIEEE1394コネクタは使っていません。

.サウンドカード

マザボには自作PC二号で使っていた ZoltorixのNightingale pro6と同じサウンドチップが載っているので期待したのですが、音質はメロメロでした。まあ、マザボのグラウンド環境で良好な音質を望むのは無理でしょうね。

最初pro6を使ってみましたが、チップが同じなので大混乱。シーラスロジック(現在クリスタル)製のCS4630を使ったボードを買って来ました。

このチップは超有名なので製品が多いですが、ボードを見せているショップでざっと比較して、グラウンドの引き回しがよさそうなサウンドイメージ社のSY-AP5.1を購入しました。ただしこのボードが最高かどうかはもちろん知りません (比較してませんから) 。ただまあ、なかなかいい音がしているのはたしかです。

F.ビデオキャプチャーボード

定番のMTV2000がすでに完了しているので、後継のMTV3000Wを購入しました。ダブルチューナで5万円もするボードですが、ダブルチューナになっている理由がさっぱりわかりません。でも選定知識がないので、定番であるこれを買いました。

ソニー製チューナ+松下製のMPEG2ハードエンコーダという構成で、映像画質はまあまあ。最低の4Mbps程度で綺麗な絵がでますが、8Mbpsに上げてもあまりよくならないのは1パスの限界でしょうね。

でも非常に精度のよいゴーストキャンセラーと、意外にもADコンバータの音質がよく、テレビってこんなに音がよかったっけと思わされました。

G.シリアルATAボード

シリアルATAのHDD用に、RAID非対応のボードが入っています。ショップで一番安かったEIO製。RAIDをやらないのでつなぐだけでOKで、なんの設定もなしです。

このボードはバックパネル取り付けの金属板を外してあり、PCIコネクタにさしてあるでけです。そのうち抜け止めを考えますが、今はたださしてあるだけ。



何でこんなことをしたかというと、Fのキャプチャーボードがものすごい発熱で、空気を取り入れて冷やしてやろうというわけです。

以前はGには何もささなかったのですが、年末にアナログモデムが加わったので、外部とのやりとりのないシリアルATAボードを一番下にして、板金を取り外してしまいました。



これが残骸。ただしアースが弱くなっているとまずいので、内部でリードでシャーシと接続してあります。良い子はまねをしないように。

このGの穴は冷却効果絶大で、ビデオキャプチャーボードの温度はおよそ15度下がりました。

なおこの穴とHDDのヒートシンクで他の穴の負圧が減るので、マザボ上にヒートトスボットが出来るのを若干心配しましたが、特にそういうことは起こりませんでした。

(追記)1月10日現在、SCSIカードとSATAカードは、場所を入れ換えました。上記SATAドライブの停止原因がわからなくて、いろいろやった名残です。風の通し方は別の工夫をしましたが、これは後日ご紹介します。


8.まとめ

というわけで、自作PC三号は、流行のAVパソコンになっているのでした。So-netが提供するテレビ王国の番組表を使い、IEPG予約、出先からの予約 (あまりやりませんが)などを使い、主に歌番組を録って編集。

最初は歌だけ集めたんですが、実は歌よりトークのほうが全然おもしろいので、最近は気の利いたトークを中心に編集してDVD-Rに焼いています。これを車の中で運転しながら見ると、とても危険です。良い子はまねしないように(苦笑)。

次に、パソコンとしての動作ですが、速くて安定。WindowsXPにも結構慣れてしまいました。右クリックでできることをフォルダの左に羅列してくれる表現は、PC初心者にはやさしい仕様といえるでしょう。右クリックでできることを覚えておく必要が無いですからね。

私もXP使い始めは右クリックでやっていたことを、現在は素直に左の表現を左クリックしています。良い子だな。

ただウインドウの大きさを変えるとき、ウニウニ動くのだけはどうしても好きになれませんけどね。もちろんコントロールパネルとスタートメニューはともにクラシカルですが。

動作速度は十分サクサクで、アプリも、基本がXPで作られているのが多いせいか、2000より使いやすいと感ずることも多くなりました。




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