TA-DA5700ES勉強会



二段構成増幅と OPプロセッシング


初稿 120210


二段構成増幅

最近、とくに DA5700ESを購入された方からいただくメールに目に止まったのが「いままでピュアオーディオアンプを使っていたが、CDをアナログ入力で聴いた音がDA5700ESのほうが表現力があるので驚きました」というものです。

なぜそうなるか、その秘密が前項に書いたブロック図にあります。ちょっと解説しておきましょう。




前項で出てきた DA5700ESのグラウンド構成です。これはソニーのAVアンプの一般的な構成です。



これがピュアオーディオのプリメインアンプによくあった構成です。なにか足りないですね。そうですプリアンプ段が無いのです。


AVアンプとピュアアンプ

つまりピュアオーディオのプリメインアンプの多くは一段構成アンプ。パワーアンプ部の増幅率を大きくして、プリアンプ段を省略することが多いのです。これはアンプがシンプルになり、アンプの純度を上げやすいことと、部品点数が減るのでパーツにお金がかけられるという利点があります。しかし、パワーアンプをドライブするインピーダンスが高くなるので、ノイズやクロストーク、スイッチングノイズなどの飛びつきに弱くなります。振動の影響も受けやすい傾向です。

それに対してAVアンプは二段構成増幅のアンプが普通です。つまりAVアンプのほうが電気的に強いんです。低域の表現力やステージ感の安定度を良くしやすい構成を持っていると言えます。

AVアンプはアンプのチャンネル数が多いので性能の劣化を心配する方も多いと思います。しかし二段アンプであることにより、パワーアンプのラインインピーダンスが低いことが効いていて、みなさんが想像するほど別のチャンネルからの影響を受けにくいんですね。もともとピュアオーディオをやっていたかないまるからみても、そんなに不利ではないと判断できます。


OPプロセッシング

AVアンプの構成が一般論としてピュアオーディオより有利な点があることはわかっていただいたとして、ソニーの場合はその利点を生かす先進的な仕組みをいろいろ搭載しています。

その代表的なものが、2001年発売のVA555ESから搭載し、現在も搭載が続いているOPプロセッシングです。DA5700ESはもちろん、DH710などの低価格モデルにも搭載しています。

OPプロセッシングの詳しい説明がはこちらにありますが、このページを見るとOPプロセッシングを使うと、実用領域でのS/Nが10dB近く改善することがわかります。これはこれで大きな改善です。

しかしこれは測定できる単純なノイズでの値で、内部ノイズ (スイッチングノイズや隣接チャンネルからのクロストーク) ともなると、アンプの利得が減っただけ小さくなります。その改善量は20dBです。 DA5700ESではボリウム値で「+2dB」以上にしない限りこの状態です。「+2dB」というともう爆音です。

これを言い換えれば、ピュアオーディオのアンプやOPプロセッシングを持たないAVアンプは、ノイズ環境的に20dBほど不利な状態で動作しているといえるのです。20dBというと電圧で1/10。つまりOPプロセッシングならノイズに対して10倍も有利なんです。

これはノイズ量の減り方としては圧倒的で、ちょっとやそっとの設計力で稼げる性能ではありません。ましてきちんと設計してある場合は、音質の良さに直結するのです。

まとめると、

  1. AVアンプはプリアンプ+メインアンプの二段構成になっているのが普通で、パワーアンプのドライブインピーダンスが低くてノイズに強く、低音も良く出る。
  2. ソニーのAVアンプは、OPプロセッシングがついているので、さらにノイズに強い



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