TA-DA5700ES勉強会



巨大なヒートシンクを持つネットワークエンジン(2)

初稿 120205



結局ファンは必要

測定の結果、かないまるがカットしたヒートシンクならファンレスでもちょうど動作できるという結論が出ました。やれやれです。ただし天板の上にノートなどを載せられて、空気穴をふさがれると、温度がオーバーするとのこともわかりました。

ラックに入れて通風が悪い状態でガンガン鳴らしても、常識的な通風が確保できているラック (だいたい10〜15度の温度上昇まで) ならOK。でも通風が悪い夏場は少し心配。

そこでこのネットワーク基板は、温度検出をつけて温度を監視することにしました。温度上昇に弱い部品のとなりに検出用の部品がついています。そしてここの温度が限界を超えないようにファンを回すことにしました。

しかしさいわいに、試験の結果このファンは現在ついている比較的小型のものでいいことがわかりました。しかも回転数も、やっと回るくらいの低速で十分冷えることもわかりました。さすがはCPUクーラー由来。よく冷えるんですね、これが。

というわけで、このファンはめったなことでは回りません。回そうと思っても、回すのは大変だと思います。実際二十人近い評論家が入れ代わり立ち代わりかなりの爆音で連日鳴らし続けましたが、ファンは一度も回りませんでした (あ、配線はもちろんしてありますよ)。恐らく夏場にラックに入ってでもいない限り回らないでしょう。


音質のよいファンとは

では小型のファンならなんでもいいか。そうは行きません。たとえ回っても振動の出ないものでないといけません。オーディオ機器において回転して当たり前のものってなんでしょう。

そうです、テープデッキのキャプスタンモーターや、CDプレーヤのスピンドルモーターです。かないまるは実はオーディオ用のモーターも設計したことがあります。CDP-R1aやCDP-R3のスピンドルモーターは、かないまる自身がRシリーズ専用に設計したものです。CDP-X5000のモーターは後輩が設計しましたが、おなじ思想が生きていました。

ポイントは軸受けです。ここにガタがあってはだめなんです。ダメの代表がボールベアリング軸受け。これはPCでもだめです。そもそもゴロゴロとうるさいですが、ガタが音圧でガタガタいって、それがシャーシに伝わるのでとってもダメ。

DA5700ESのファンはオイレスベアリングといって、スポンジのような多孔質の金属に穴を開けたなかに軸がはまっているというものです。スピンドルモータとおなじ構造。スポンジ部分に油をしみこませてあり、油膜で潤滑。ガタなく回転します。


構造の音質検討

小型で軽く、油膜潤滑モータを搭載し、フィンも押し出しアルミ材と、高音質にまとまる可能性が備わったエンジン。でも音質チューンは必要です。結構マニアックなんですよ。どんなことをやるかという実例としてご紹介しましょう。



音質チューンの一例としてわかりやすいのは、ファンを支えるモールドに止めるのに、ビスが4点中3点で止まっていることです。これはコストダウンではありません。

ファンとファンモールドが完全にピタっと同じ形状になることは理論的にありませんね。これを4点で締めつけると必ずスキマを締めつけることになりストレスがかかります。モールドはストレスがかかると鳴きが強くなりますので特定の音色が乗り音質がクセっぽくなりますが、ヒートシンクはただでさえ鳴きやすいので、この周辺に強い共振を抱えてはいけないんです。

つまりビスは3点で止めるのがいいんですが、折角なのでどの3点にするかを試聴で決めました。選び方が四とおりあり聴いて比較します。こういうのは結構変わるんですよ。響きが希望する音色になる止め方を探すんです。検討したのとしないのとでは最終の完成度が全然違ってしまいます。結論は上の画像のように決まりました。



これが量産の金型のファンモールド。ビス穴は埋めてあります。上から見える場所なので、閉め忘れと勘違いした方が気分悪いでしょ(^^;)

(続く)


フレーム表示にする (目次がないときクリックしてください)
かないまるのホームページへ