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デモ・仕事・プライベート…

かないまるお勧めのソフトたち

その3

その3の開始 080127
随時更新
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新方針
「かないまるお勧めソフトたち」のページは、試聴用として本当に使えるよいソフトばかりだと好評です。ただ、最初に危惧したとおり、詳しく書きすぎて息切れしました(^_^;)。特にcamomileリミックスプロジェクトがはじまってからは、全く更新できなくなりました。
そこで、今後は、解説のボリウムをぐっと減らして、ポイントを絞って、当方の負荷を下げてご紹介しようと思います。
ソフトのよさは従来どおりですので、みなさんのソフト購入の参考にしてください。


SB080127-1
---試聴用・デモ用・好演奏・CD---
---[NEW] 080127


モダン・ジュズ
PONTA BOX, 佐藤竹善

最近デモでよく使っているCDを何枚かご紹介しましょう。一枚目はポンタ・ボックスのモダンジュズというCDです。いや「ジャズ」の誤植ではありません。ジュズです。でも中身はモダンジャズのピアノトリオのとても素晴らしい演奏です。

一曲目。軽快なドラムスのブラッシングに続いてピアノとベースが入って来るわりとスタンダードな展開。そしてどんどん引き込む好演奏。アンプテンポな一曲目とリリカルな二曲目はシームレスに演奏されますが、ベースやピアノの表情が「え、同じ楽器ですか」というほど大きく変わり、その展開が見事です。

このアルバムは、多くの方に聴いていただいたTA-DA3200ESのデモで、必ず一曲目にかけました。かないまるの試聴室に見えたほとんどの方がオープニングにお聴きになってい,ます。いわばTA-DA3200ESのテーマソング。TA-DA5300ESになってもそれは相変わらずです。

TA-DA3200ES以後のかないまるチューンのAVアンプは「広帯域パワーアンプ」がウリですが、その特長であるフォーカス感、とりわけシンバルのキレが活かされる音質。そしてノリのいい演奏。

ジャズを何か一枚と言われると、最近はもっぱらこれをお勧めしているのです。


SB080127-2
---試聴用・デモ用・好演奏・CD---
---[NEW] 080127



マンハッタン・イン・ブルー(XRCD)
MALTA

これもまたジャズのCDです。MALTAというとフュージョンかなと思うと、これが完全にジャズな一枚。いやあ、マルタのサックスなってなんてリリカルなんだろうと思います。細かい感情が、リードの複雑な音色に反映されて時々刻々と音を紡ぐのです。録音もよく、聴くたびに浸ってしまいます。

かないまるはサックスというとアートペッパーです。ジャズ入門期にコンテンポラリーレーベルの廉価版LPが出ていたこともあって学生時代にもっとも親みました。ジャズ=アートペッパーとすらいえます。

でも親しみすぎて、ことサックスではほかの人の演奏に浸った覚えがほとんどあまりありません。ペッパー自身も後期の演奏は全く肌に合いません。でも、マルタは「あー、肌に合うなあ」と思ったのです。気を楽にして心を託せるのです。

デモに使うのは一曲目。必ずポンタボックスの次にかけます。実はこのCDはシンバルの演奏もとてもいいんです。素晴らしくシズるシンバル。奇跡です。TA-DA3200ESやTA-DA5300ESでは、ポンタボックスとの対比で「シンバルの音色の違いがわかりやすいですよ」ということで聴いていただくのです。

でも、かけ終わって「マルタって、いいですよね」というと、うなずかない人はまずいないのです。


SB080127-3
---試聴用・好演奏・CD---
---[NEW] 080127



Here's to Ben: A Vocal Tribute to Ben Webster
Jacintha

故朝沼予史宏さんが試聴用に持ってきてくださった一枚です。とても有名な録音なのでご存じの方も多いでしょう。この盤の9曲目のダニーボーイの前半がアカペラで歌われるんですが、これがすごいリアリティー。エコーの回り込みが美しく、これが2チャンネルかと思うほど背後まで音がまわります。

またマイクが細かい音をよくとらえているのにも驚かされます。ジャシンタの喉の奥をよくとらえています。かないまるは藤田恵美さんのカモミールクラシックスを聴かせていただいたとき、オーディオマニア向けとしては少し距離を感じましたが、「録音がとてもよさそうだ」とは思いました。それは実は、このジャシンタの録音とよく似た細かい音が入っていることを察知したからです。完成したcamomile Best Audioは、その肉声感、歌手の存在感、息づかいのリアリティーに驚く方がたくさんいらっしゃいますが、そのミックス手法の先生は実はこのアルバムなのです。

レコーディングエンジニアの阿部さんには、リミックスにあたっていろいろなことをお願いしましたが、この「歌手の存在感の表現」を説明するためにダニーボーイを聴いていただきました。でも説明は要りませんでした。かけ終わったと同時に阿部さんは「なるほど。そうなんですね」とおっしゃったのです。

アカペラの途中でギターが「ビーン」と一回だけ小さな音を立てます。バッキングの演奏開始を待つギターの演奏者が弦にタッチしたのでしょう。これが聴こえるかどうかにまずは挑戦してみてください。そしてジャシンタの喉が見えるかもポイントです。

なおこの録音は、SA-CDハイブリッド盤XRCD盤も出ています。それぞれによい音がしますが、かないまるはこのオリジナル盤のCDが好きです。ジャシンタの声が人間の肉声に近く感じるからなのですが、実はそれは朝沼さんと何十回も繰り返し聴いたからなのかもしれません。


SB080127-4
---試聴用・オーディオマニア必携・CD---
---[NEW] 080127



The Hunter
Jennifer Warnes

1992年発売ですから、もう15年ほど前の作品ですが「ポップスで一番よい音のCDは」と言われたらこれでしょうか。ホリーコールのドントスモークインベッドと並んで、camomile Best Audioでめざした音の先生の一枚です。

このCDの特長はとにかく豊かな低音がたっぷり入っていることです。タブラのようなインド系の楽器まで使って音作りされた低音はとにかく分厚くてリッチです。ただし低価格のオーディオにとっては低音が入りすぎていて、音量を上げようとすると異音が出たりして、実は再生しきるのが難しいソフトでもあります (きちんと設計されたスピーカでは異音が出ることはありません)。

まあ、あまりに有名な一枚ですが、もし持っていなかったらぜひ買いましょう。また持っている人も、安いソフトなので買いなおして最近のプレスを聴いてみるのもいいと思います。

実はかないまるは、手持ちのディスクに傷をつけてしまい買いなおしましたが、どうもプレス金型が新しいようで、かなり音がよくなっていると感じました。まあ15年も経っていますからプレスの精度だけ考えても相当によくなっていて不思議ではないのですが。

オーディオファイルになる初めの一歩が、このCDとの出会いにあると言える、そんな名盤です。









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