PS3の補強方法

上面

更新 070625
初稿 061115


では上面です。上面はとても難しい。

というのも、上面はきわめて近接した二枚のポリカの曲面ボードが上下に組み合わさっています。表から見えているのは実は化粧カバーで、その下に同じアーチ状の別の部材があり、箱としての強度は、その下側のアーチ部品が作っています。上カバーはデフォルトでは単なる化粧板です。そこでこの化粧板に細工をして、構造メンバーに入れつつ、チューニングもしてやろうというわけです。

チューニングは、上カバーにテフロンテープを貼ることによる制振と、重りを乗せて、上カバーをしたカバーに押しつけてガタをとることの二要素で行います。

A)テフロンテープ貼り付け

テフロンテープは中興化成のASF110。厚みは0.08を使いました。テープ幅は40ミリを使用。これは20ミリ幅を2枚並べてもかまわないと思います。



1)清掃

まずテープ貼りから解説します。貼りたい位置に指紋や手アブラ (指紋など) が付いていないことを確認します。付いていたらタオルなどで拭き取ってください。手アブラがあるとテープの粘着力が弱まり、はがれやすくなってしまいます。

2)貼り位置

横方向の位置は、セットの右端から25ミリの位置がテープの右端となりました。

2)長さ

次に長さLですが、Lを長くすると中域の分解能 (楽器の分離の良さなど) がよくなります。しかし長くしすぎると「つまらない」音になります。音場が小さくなるのです。

マルチチャンネルでは長すぎると空間のつながりが悪くなり、短すぎると楽器群がにじんで、個々の楽器を聴き取りにくくなります。なので、みなさんの部屋でどんな長さなのかを探し出すとよいでしょう。

こういうときにリファレンスになるのは、基本的にはコンサートでの音の記憶など、ご自身の音楽体験ということになります。クラシック好きとジャズ好きでは異なるチューニングになるでしょう。日本や欧州はクラシック体験が中心になることが多いようです。北米の方はクラブなどの小さい場所で至近距離で音楽を聴く機会が多いためか、よりダイレクトな感じの音を好むようです。

つまりひとそれぞれということですので、あまり難しく考えずに自分が音楽を聴いて楽しいポイントを探せばいいでしょう。

4)微調整

一週間程度経つとテープの効きが強くなり、貼りすぎな感じがするはずです。これは糊の効きがよくなり、制動が強くかかるようになるからです。もし音場が狭くなりすぎたなと感じたら、両端を少しめくり上げて鋏で切って短くしてください。


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B)重りを乗せます

最後に重りを乗せます。上カバーはアーチ状になっていますが、このヘソに重りを乗せます。目的は、低音のスピード感の調整です。

アーチ状の曲面の頂点に重りをのせると、アーチ全体に緊張が入って強度が上がり、音速もあがります。またしたカバーとの間のガタもとれるので、重りの有無で音質は天地ほども変わります。

重りも、それ自体の鳴きの音色のよいものがいいのですが、かないまるはCDP-X5000のチャッキングプーリーを使いました。同じものは残念ながら個別には入手できないでしょうから、みなさんはインシュレータとして売られているものや、身近にある文鎮などを乗せてみてください。



乗せる場所です。これは大変にシビアで、少し動かしただけで音が大きく変わるので楽しいですよ。

上面には「PLAYSTATION 3」の文字がありますが、このTとAの中間かそれより2ミリまで向こう側に横線を想定し、その上に乗せます。

横方向では文字の下とぴったり合ったところを右端とします。ここが一番効き目が大きいところです。そこから左に移動するにつれて効きが弱くなります。

これでなにが変わるかというと、まず乗せない場合にくらべて、フルオーケストラが全員一斉にドカンとやるときの、ティンパニーや大太鼓の音が聴き取り易くなります。また打楽器、弦楽器、管楽器の音のアタマがそろってきます。もちろん振動的にはいろいろな楽器の振動の減衰の仕方が変わるのであって、アタマが揃うわけではありません。でも聴こえ方としては頭の頭が揃うように感ずるところを探すとうまく行きます。



で、文字の下縁とピタリと合わせたところは、実際には効きすぎで、音が硬いと思います。

そこで重りを次第に左にずらして行きます。低音のスピード感はそんなに変わりませんが、叩く強さがやさしくなり、また残響を感じる空間が広くなると思います。左に行き過ぎると打楽器がくずれて音が弱くなります。

かないまるの場合は33ミリ〜44ミリ左に動かした位置が万能的な場所。やや低域を強めたいときは右、弱めてやさしくしたいときは左に動かします。まるでトーンコントロールで、実はソフトごと、録音の傾向ごとに置きたい位置が変わってきます。

一度置いてみてうまくいったら、試しに外して見てください。分解能が下がりグシャっとするのがわかると思います。これは音には素人の広報の女性の方が「えっ、えっ」と言ってたくらいですから、リスニング環境がちゃんとしていれば、どなたでもわかると思います。つまり重りは必需品ということです。

逆に差がわかりにくい場合は、うるさいことをいわずにまずは適当に何か飾りに乗せておいて、差が出るように部屋を改善しましょう。