大阪デモフォローアップ1)

(片々雑事に掲載した記事に加筆して移動しました)

AVアンプに太いスピーカケーブルを接続する方法
(130808)

デモのあとのQ&Aから、一点フォローさせていただきます。

まず、バナナプラグを使うことは、太い線を端子に無理に押し込むより確実でよい音がします。ただ、バナナプラグのよいのは高額です。これは音質のよいプラグを作るのが結構難しいからです。

かないまるが実戦しているのは、太いケーブルに、10センチ程度のリードケーブルをハンダ付けでつなぎ、リードケーブルをAVアンプに (バナナプラグではなく) 直接配線することです。

この方法は、実はオーディオQ&Aのコーナーですでにご紹介ずみですのでご覧ください。「[111009]AVアンプでバイワイヤリングを実施する方法」という記事です

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リードケーブルとしてお勧めできるのは、Monster Cable(モンスターケーブル) XPHP です。プラス側とマイナス側は割いてしまい、それぞれをスピーカに行く太い線にハンダ付けしてください。

このXP-HPというケーブルは安価でバランスがよく、かないまるの常用品でもあります。



1メートル600円と安価ですが音質はとてもいいものです。

このようなリードケーブルを高額なスピーカーケーブルの先端に取り付けて音質的に問題ないかというと、全くありません。むしろこの処理をするとかえって音質がよくなります。

理由は、太くて硬いスピーカケーブルにはスピーカボックスの振動が乗っていますので、直接アンプにつなぐとこの振動で音質が劣化します。大きくて重たくてゴツイパワーアンプが音質がよいのは、バックパネルやターミナクがしっかりしていて、この振動に打ち勝つからですが、AVアンプには残念ながらそんな物量はありません (
まあ、そもそも装着できないので今回のご質問となったわけですが)。

ところが、柔らかいリードケーブルを介すると、ケーブルの振動がアンプに伝わりにくくなります。したがって、かえって高音質になります。

リードケーブルが細いのは大丈夫なのか、と思う方もいらっしゃるでしょうが、このケーブルと直列になっているスピーカのボイスコイルやネットワークの基板などは、もっと細いものですし、アンプの内部のスピーカ回路の配線もリードケーブルと同じくらいなので、全く問題ありません。

結局、太くて振動に強いスピーカケーブルを使うのはもちろんよいことですが、AVアンプ接続側に10センチほどのリードケーブルを追加しても音質は劣化しません。むしろよくなるのです。

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さて、とはういものの、XPHPのような細い銅線を束ねたタイプのケーブルには「やや歪みっぽい音になることがある」という問題点があります。これはもっと素線数の多い、モンスターケーブルのMCなどのケーブルでは、より顕著になります。



原因はスピーカターミナルで締めつけた部分では全部の銅線に平均に電流が入らないためだと思われます。細い素線が何十本も束ねられていますが、スピーカターミナルに接するのはそのなかの20〜30パーセント程度でしょう。つまり一気に電流が全素線に行き渡るわけではありません。もちろんターミナル部分でかなり分散すると思いますが、幾分かはケーブルの内部で銅線の表面同志の接触で素線間に電流が流れると考えられます。

ところが銅線の表面には亜酸化銅の皮膜があります。亜酸化銅は半導体的に振る舞うとされていますので、これが原因で歪み感を生じると考えられます。単線系のスピーカケーブルのほうが、一般に歪み感がなくクリアな音がする傾向がありますが、それは端子部分をよじることでほとんどの素線に電流が平均的に入り、横電流があまり流れないからでしょう。

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この横電流による音質劣化問題を防ぐためにかないまるが常時やっているのが、ケーブルの先端にクリプトン セッテンプロ接点導通剤 をたっぷりと塗布するという方法です。音質改善に抜群に効果があります。



セッテンプロは、芯が硬いダイヤモンド、表面が導通性のあるカーボン微粒子をスクワランオイルに分散させたものです。これをHPHPケーブルにたっぷりと塗布します。ケーブルの透明被服にしみこんで、入りぐちがやや黒くなるくらい塗布します。コネクタなどに施す場合は少量でよく、つけすぎはかえってよくないとされていますが、スピーカケーブルの場合は多めで効果が出ます。



塗布後は導体がターミナルのところで線型性のよい導通が実現し、全部の素線に電流が平均に流れ込むようになると考えられ、とても質がよくなります。

同時にターミナルとの接触も改善され、スカっとした音が出ます。セッテンプロはピンジャックなどに使っても音質がよくなりますのでお勧めです (大阪のDA5800ESにも塗布してあります)。

この線型性は歪み率などで測定できるほどのものではありませんが、接触抵抗はたしかに減少します。したがって接触抵抗が振動により変調されるような見方からも音質が改善する理由と考えています。

実は高級オーディオ機器でつかわれるYラグ端子は、カシメやハンダ付けにより全素線に電流を流すことができますので、音質のよい方法です。

ちなみに北米のスピーカケーブルメーカのS社やK社は、高級ゾーンのケーブルは端末に何らかのラグをつけないと販売してくれません。しかしAVアンプでは端子をつけると使いにくいことから、先バラで注文したら、先端をロウ付けしてから金メッキした柔らかい束線を取り付けることで販売してくれたという経験があります。これはゲーブルメーカがこの問題をちゃんと知っているのだと、かないまるは思っています。


そうそう。かないまるは上の画像の丸ボトルではなく、旧型の角ボトルのをまだ愛用しています。



もう10年くらい使っているでしょうか。実は若干へんな臭いがします。動物性油脂であるスクワランオイルが若干傷んでいるようです (音質改善効果は変わりません)。けっして安くないものですが少量ずつしか使いませんので、実はものすごく長く使えます。ですので、購入した場合は冷蔵庫の片隅にしまっておくことをお勧めします


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