高音質なNASキットを発見

RockDiskNext で極上の音を出そう


RockDiskNextはなぜ音質がよいのか

130823 初稿
131217 更新


RockDiskNextはなぜ音質がよいのか。正直なところ分かる部分と分からない部分があります。そもそもNASの音がどこで決まるのかがまだ完全には分かっていないんです。オーディオ機器は一般的にそういう部分を持っていますが、ネットワークオーディオは特に未開拓。だから安価なモデルが音がよかったり、古いNASが捨てられなかったりして困ったり、面白かったりします。

2012年に公開した「DA5700ES勉強会」でご紹介したコレガのNASは音のよいNASでした。もともとは発売当初の2008年ごろWindows共有のサーバとして自宅で使い始めましたが、2010年にDLNAサーバとして音がよいことがわかり、自宅、会社ともにメインのサーバとして使い始めました。ただその時点ですでに発売後数年経ち、サポートもあやふやだったのでほかのNASも検討しはじめました。

一番音が悪かったものは2010年の秋に入手したものでしたが、オーディオの常識に照らして欠点が目立ちましたので、きちんとしたシャーシを試作して与えてみたり、電源も異例によいものを与えてみたりとかなりのチューンをしてみました。

その結果わかったことは、オーディオ的な改善をすればそれが音に現れる、つまり音質改善はできるということです。そういう観点からRockDiskNextを見ると、現在の平均的なNAS (モールドケースに入っていてシャーシは最悪。HDDの固定も弱いという状況)と比べると、オーディオ的にみて非常によくできています。

しかし面白いのは、IOデータさんはこのRockDiskNextを音質用として訴求していたわけではなかったということです。このモデルの基本コンセプトは「外出先でスマホからアクセスして自分の映像を再生できるリモートのHDD」です。ですからこのモデルの基本コンセプトが音を良くしたわけではありません。

しかし企画担当のHさんは生粋のオーディオファンです。そのHさんはRockDiskNextを企画するとき「身近に置くものなので、無音で放熱のよいシャーシを与えたい」と思ったそうです。企画主旨とは違うがオーディオ機器として良くありたいと思ったそうです。

このときにHさんのオーディオのマインドが数々の偶然を呼び寄せて、結果的にオーディオ的にみてとてもよい商品ができていたのだと思います。しかも用途がオーディオではないのでとても安価に値付けされました。

こういうことは、実はときどき起こります。でも呼び寄せられた偶然にまけないくらい、音質を阻害する要因も「偶然」集まってしまうのが普通です。ですので、きちんとした音質検討を経ないで音がよい状態で仕上がるというモデルは散発的にしか出現しません。またそれを発見するのも難しいものです。

このモデルをかないまるが発見したのは偶然ではありません。音のよいNASを探すため、実質的にローラー作戦をおこない、その網にかかりました。

しかし購入したままでは実力は発揮しきれていませんでした。PC応用機器では良くあることですが、私の環境でアイオーデータさんの作った資料にしたがってテストするとちゃんと動かなかったのです。

次の偶然が、この商品の担当者Hさんがかないまるページの読者さんだったことです。困ってメーカのサポートにメールを入れたら、Hさんから 「DA7000ESのときに相談したものです」という返信が戻ってきました。びっくりしましたが、「RockDiskNext、基本的には音がいいですよ」とお伝えしたところ、非常に喜んでいただきました。

折しも2013年7月の大阪デモの直前でデモに耐える設定を行う必要があり、のべ数時間にわたりRockDiskNextの動かし方を電話で教えていただくことができました。高音質にできるヒントも提案していただき、すぐにテストして反映し高音質な設定をどんどん進めることができました。

この高音質な設定は追って説明しますが、ここではRockDiskNextの音がいい理由を、まず幾つかご紹介します。


[ファンレスである]

まずこのNASは、オーディオファンのHさんが「静かに動作させたい」と考えたことからファンレスになっています。上述のように個人用としてPCの近くにおき、至近距離で使うときの騒音を減らしたかったそうです。

ところが、ご存じのように冷却用のファンというのは非常によくない振動を発生するものがあり、入念に選んでやっとオーディオ的に邪魔をしなくなります。回っていなくてもついているだけでよくないことがあるくらい。ですからファンがないのはそれだけで音質的に有利です。


[シャーシ構造がAVアンプに近い]

画像をご覧ください。



いかがですか。AVアンプのシャーシとよく似ているでしょう。底面からきちんと四辺が立ち上がっています。つまりフレーム強度が非常に高いのです。ビームはありませんが、箱として小さいことと、HDDを取り付けるとそれがビームとして働くので、振動的にこのうえなくよい状態です。

またケースもアルミの押し出し材でできています。一般的に多くのNASはモールドケースでできています。実はコレガもそうで、それが若干空間の緩みを生んでいます。

ところがRockDiskNextのアルミケースはその点立派なものです。なぜアルミかというとファンレスで使うことを前提としたためだそうです。モールドでは放熱ができないんですね。

ただアルミシャーシが中途半端に厚すぎるとかえってたいへんなことになります。「かちーん」という強烈な鳴きがでて、音が固くなるんです。RockDiskNextのアルミの厚みは1.5ミリ程度で、このサイズの箱としてはなかなかいいセンです。

ただ実は若干鳴きが気にはなります。大阪用はケースに切り込みを入れてチューンしました。これはハンドグラインダで行うかなりマニアックな改造で、近々みなさんができる範囲のチューンもご紹介しますが、アルミが厚すぎないので、わりあいに簡単に制振できます。



[キット用としての回路上の配慮]

実はHDDを組みこんで出荷する商品に比べると、キットとしてユーザがHDDを組みこむ商品は、それだけで音質が高い可能性があります。コレガのNASが音がよかった理由が、HDDを自分で組みこむ商品だったたというあたりにもあるとかないまるは見ています。RockDiskNextにも同様のことを感じます。

理由1)
ユーザがどんなストレージを取り付けるか分からないので、電源容量がやや大きめに用意されていることがまず上げられます。またノイズの多いストレージに備えて、ノイズが基板に回らないような配慮も感じられます。

理由2)
構造が簡単で、しかも強度が十分にとれています。特にHDD取り付け部が洗練されています。これは、取り付けを複雑にしてしまうとユーザの手に終えなくなるからでしょう。シンプルな構造は音質がよくなります。

理由3)
RockDiskNextはそれでもHDDをネジ止めにしてあります。



コレガがスロットインだったのに比べると、このほうが断然いいです。つまりRockDiskNextはコレガを超える素養をここに持っています。
なお商品についているビスはなかなか音が良く、交換してしまうと音質が変わります。無くさないように注意しましょう。

理由4)
RockDiskNextのDLNAアプリはSRAM上にあります。キットの場合はHDD側にはアプリがないので自然にそうなります。するとアプリは常に同じ動作をしてくれます。HDDからシステムにロードして動作するものは、起動し直すと音が変わるというようなことが起こりがちです。RockDiskNextの音は何度起動しても基本的に同じです。

理由5)
高額商品ではないので、ソフトの基本設計がわりあいシンプルにできているようです。必要ない機能を設定で殺すこともでき、さらにシンプルな動作も可能です。シンプルイズベストはオーディオの常道ですね。

もちろん高額なNASにくらべて機能が落ちる側面もあるでしょう。しかし音質を優先するとRockDiskNextはよい選択となります。もしかすると機能が少ないから音がよいかもしれません (あながち外れてないと思います)。

では組み込み時の注意点やHDD/SSDによる違いなどをご紹介してゆきましょう。


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