高音質なNASキットを発見

RockDiskNext で極上の音を出そう


ファイル再生の優位性

130823 初稿
130824 更新

[光学メディアの音質の限界]

かないまるの最近の自宅での音楽鑑賞は、概ねファイル再生になりました。USBのHDDをフロントUSB端子に差し込んで再生することもありますが、大概はNASやPCに格納してあるWAVファイルをDLNA経由で再生しています。理由は音質がよいからです。

デジタルでの音楽再生は長い間CDを代表とする光学ディスクメディアが音源でした。しかしかないまるは、元CDプレーヤ設計者としてCD特有のクセと戦った経験を持っていて、CDを音質よく再生するには基本的にお金がかかるという結論を持っています。

実際、かないまるがリーダーを務めた高級CDプレーヤ「CDP-R10 +DAS-R10 」はとてもよい音がします。アンプとアナログで接続した場合は、44.1kHzのCDをソースとする場合では、ファイル再生を含むあらゆる再生方法をもってしてもその音質には追いつかないでしょう。その代わり定価で200万円もします。

そのコストの大半は回転系と光学系を支えるメカに割かれています。DACにもお金がかかっていますが、現在ならかなり低いコストでも同程度の音が出るでしょう。しかしトランスポートのほうは、同じ音を出すためには、今作っても同じようなものになるでしょう。

理由は光学メディアは回転系が安定ではなく、また振動の影響を非常に大きく受けるからです。 技術的に細かいことまで詳細に拾い上げるとレポート用紙100枚以上になるでしょう。

主な二点をご紹介しましょう。まずCDのディスクは、単独の円盤を使うのでセンタリング精度に限界があります。つまり偏心があります。そのため読み出された信号はフラフラと時間軸方向に前後に揺れています。オシロで波形を見ると、まさにグラグラと揺れています。いわゆるワウフラッターです。

この揺れ (ジッタ) はメモリシステムで原理的には取り除かれますので、CDプレーヤのスペックとしてのワウフラッターは測定限界以下になります。実際CDプレーヤの出力にワウメータを当てても針は動きません。

しかしデータのエッジの微分波形がノイズとなり、電源やグラウンドにまず注入されます。このノイズは高周波なので簡単には減衰せずシャーシ内のいたるところに現れます。つまりつまりジッタはノイズとしてシャーシ内に広がるのです。

このジッタの痕跡ノイズを最終的なDA変換用のマスタークロックにいかに混入させないかはCDプレーヤ設計の腕の見せ所ですが、実感として完全には防止できません。メカの素性はそういうわけで必ず音質に現れます。結局、揺れの発生しにくい強固で重たいメカを使い、揺れの少ない状態でディスクを回転させることが高音質には必要になります。

またディスクはスピーカの音圧で簡単に振動します。シャーシの振動があれば、やはりディスクを揺らせます。床経由の振動もディスク面を揺らせます。つまりリスニング環境の振動のルツボです。ところがディスク面とレーザの合焦レンズは常に当距離でなければいけません。だいたい1ミクロン以下までの精度で追従します。そうしてはじめてピットが読めるんです。そのためレンズを駆動するコイルには、ディスクの振動と非常によく似た形の電流 (サーボ電流) が流れます。

光学ディスクの面はマイクのダイアフラム。その振動を増幅して駆動コイルに電流を常時流している。これが光学ディスクメディアです。当然振動に敏感ですし、ディスクの共振は音色を作りやすい。これが光学ディスクメディア特有のむずかしさです。


[ファイル再生は光学ディスクメディアのもつクセを持たない]

ファイル再生は、これらのクセを原理的に持ちません。「HDDも回転系だろう」と思われる方も多いでしょう。しかし特に音のクセを作りやすい面ブレ方向のサーボがHDDにはありません。HDDに信号を読み書きするヘッドは空気の浮力により自力で浮いています。つまりディスクとの距離を一定に保つための電気的なサーボが存在しないのです。

しかもHDDは回転速度が一定です。回転軸はディスクと完全に結合されていて軸ブレ(偏心)がまずありません。CDは取り外し式のディスクをチャッキングして回すというところに精度の限界がありますが、HDDは固定式ディスクなのでCDより三桁以上高精度。

HDDはCDより小さいディスクにCDの500〜1000倍のデータを記録しますが、それはそのまま回転精度の違いだと思ってもそんなに間違っていません。

このようにHDDによるデータの記録再生は、光学ディスクメディアのもつ音質的な問題点をほとんど持っていません。もちろんHDDやメモリには別の問題もありますが、その問題性はかなり小さいといってよいでしょう。

このためHDDからの音楽再生は本来は原理的に音質がよいのですが、以前はPC環境でしかその良さを使えませんでした。しかもわりと特別なPCを作らないとその良さが生かせないのも事実でした。


[DLNAシステムの登場]

ところがDA5600ESに音質のよいDLNAクライアントを搭載してから状況が一変。その後 DA5700ES、DA5800ESと進化して、かないまるの自宅の音楽再生は、ほぼ完全にファイル再生になりました。

音源は別にハイレゾでなければならないということは全くありません。もちろんハイレゾやマルチには格段に楽しめますが、CDクォリティーの44.1kHz16ビットでもものすごく音がいいのです。実際 DA5600ESに搭載したクライアントは44.1〜48kHzまででしたが、かないまるはこの時点で、自宅でCDを直接回して音楽再生をすることはほとんどしなくなりました。

リンピング時にグレースノートでCD名や楽曲名も入るので、メタデータのないWAV (音は最高) でも管理は十分楽ですし、リビングでも寝室でも同じファイルを楽しめるのも、CDプレーヤではできないことです。


[NASによる音質差]

とはいうものの、次に問題になるのが、このファイルの入れ物であるネットワーク上のサーバである「NAS」の音質です。ファイル再生は原理的に音がいいとは言っても、NASにより音質が違うのもまた事実です。比べるとかなりちがうものなのです。

かないまるはDLNAを始める前のPCでのファイル共有での音楽再生の時点でNASを使っていましたが、そのとき使っていたものが DA5700ES勉強会でご紹介したコレガのNAS 「CG-NSC2100GT」でした。しかし前書きのとおり、もう使えません。

二年ほど前から何モデルものNASの音を聴き、とうとう出会ったのがRockDiskNextです。これはいい。かないまるのメインNASになりました。今後このNASとの付き合いは長くなりそうです。



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