かないまるの個室オーディオ 8)

ラック その1)
TAOC SS-2を入れます

初稿 180204


1) かないまる邸 の床は音がいい

ラックの前に床の説明をしましょう。前回ご紹介した機材は床置きでハーベスをリペアできました。なかなかよい音がします。

ラックを使うより床に置いた方がよいことは、海外デモなどいろいろな場所で経験があります。イギリスの石の床でものすごい音が出ちゃったこともあります。そういう観点でみて、かないまる邸の床は音質はよい方です。

じつはこれは偶然ではありません。新築を考える多くの方は住宅展示場でハスウスメーカや建築方法を決めますね。かないまるはラジカセを持参して床において鳴らすことで、建物が持つ音を確認しました。

最初の半年で、いろいろな要因を考えて、かないまるはまず在来工法 (木造軸組工法) を選びました。その選定理由のひとつが、歪み感が少なく開放的な音がする床を持つことです。

セキスイハウス (シャーウッドシリーズ) は、なかでも音がよくて感心しました。それだけで選んだわけではないですが、音が悪ければセキスイを選ばなかったと思います。20年前のことです。

なぜシャーウッドは音がいいのか。全ての角材 (柱、梁、筋交い)に集成材を使っているのが大きいでしょうね。集成材は自然材よりよく乾燥してから作るものですし、内部構造も均一でロスがすくないと思われます。これらは床の響きがよい理由になるでしょう。

かないまる邸は、さらに床材に当時としては珍しいF1材 (今のF☆☆☆〜F☆☆☆☆材) を指定しました。子供が喘息だったので。

F1規格は欧米の規格ですが、当時の日本はシックウス症候群が問題になる直前でシャーウッドでも使われていなかった素材です。

ところが連絡ミスで実際の工事では指定に反してF2材 (現在の法律ではホルムアルデヒド放散量が多すぎて居室周りには使えません) が入ったため、工事を止めました。材料の手配や、強度計算のやりなおしのため、工事は一カ月近く止まりましたが、このときF2材とF1材を叩き比べるチャンスがありました。当時のF1材は強度は弱かったのですが柔らかく豊かな響きを持っていました。もう記憶が曖昧ですが、米松合板だったと思います。

床の音はいいのはとても有り難いことです。一階のリビングも二階の個室も板の間ですが、ハーベスがよい音で鳴ります。

AVアンプを始めたころ、会社の試聴室は芝浦の技術研究所という丈夫な建物のなかにあり、そこはコンクリートの床でした。かないまる邸の床より丈夫な音がしました。

会社が品川に移ったあとは、試聴室は巨大な密閉箱が軟弱な高層ビルの床の上に乗っているという構造になりました。今の大崎も同じです。品川も大崎も、床の音だけは自宅のほうがいいと思います。


2) ラックを入れます

オーディオ機器類をいつまでも床に置くわけには行きませんのでラックを入れます。


使うラックはこれです。今回は自作ではなくて、TAOCのSS-2というものを使います。自宅を「かないまるルーム」にするために必須のアイテムです。なぜなら、会社の「かないルーム」もラックがこれだからです。かないまるが画像を通じて媒体に登場するとき、B&W 801マトリクスとともにいつも写り込んでいるものです。

例えばちら。藤本健さんのAVwatch「Digital Audio Laboratory」の第303回に出てくる画像で、本人が気にいっている一枚ですが、かないまるの膝のところにあるのがSS-2です。

このラックは2002年に生産完了していますが、頑丈なラックで壊れるものでもないのでヤフオクにしばしば登場します。今回使ったものは定年退職の直前くらいに入手したものです。


3) このラックの構造と音

このラックは振動のコントロールが上手にできています。
  1. 頑丈なフレーム
  2. ボードは鋳鉄鉄粉、パーチクルボード、メラミン樹脂の多層構造
  3. フレームと床、フレームとボードとの接点はスパイク構造
フレームはまさにアイシン高岡さんらしいですね。厚い鉄材を溶接して作られていますが微塵の狂いも感じません。

ボードはフレームにあるスパイクの上に乗っています。つまり箱構造ではなくて、枠にボードが乗っている構造です。箱にするとどうしても固有振動数を持ち音色が付きますが、枠+ボード構造はそれがほとんどありません。
    かないまる式無共振ラック (音楽小道具の2〜3番 および、片々雑事208番に記載)は、側面を面ではなく柱にすることと、ビスを可能なかぎり少なくすることによって結合部の摩擦を活かして鳴きにくくしてあります。





これがボードを受けるスパイクです。

使い方のコツは、6本のスパイク全てのスキマが無いようにガタをとることです。それも蝶ネジを締めた後にガタが残らないこと。これをきちんとやるのが意外に大変です。でも、恐らくみなさんの想像を絶するほどこの調整は大切で、時間をかけてきちんとやると、音色にクセがなくなり、ものすごいエアが出てきます。

調整後にうっかりボードを入れ換えてはだめです。ボードは一枚一枚反り方が違うからです。

なぜガタをとる必要があるのか。オーディオ機器を乗せれば多少のガタはなくなりますが、同時にボードが曲がりストレスが入るからです。ボードでもシャーシでもケースでも、面にストレスが入るとQが上がり鳴きやすくなります。その結果音色がつき再生音にクセが入ってしまうのです。ストレスはとにかくないのがよいのです



4) さらに改良をします。

SS-2はとてもよいラックですが、少しなおしたいところがあります。

例えば、棚板下のガタをていねいにとって設置すると棚板の固有振動だけが残りますが、SS-2はこの固有振動を、内部に仕込んだ鋳鉄の鉄粉の摩擦でとるところが秀逸です。

しかしフワっとしたエアが少し出にくい傾向はあります。重いオーディオ機器にはいいですが、軽いプレーヤーなんかにはやや制振しすぎなところがあります。

このSS-2はオークションで安く入手したのはいいのですが、実はボードが一枚欠品しています (そのためとても安価だったのですが)。現在画像の下段は実は合板ですが、これがあまり音がよくありません。

そこで今回は付属ボードの代替えになる音のよいボードをご紹介しようと思います。このボードの作り方は、「枠+ボード」のタイプのラックでは他のラックでも応用が効きますので参考になると思います。

次回はフレームの制振をやります。





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